国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   その広告は   ターミネーター

 最近の会社は、イメージとテレビ広告をして、サービスや製品を超えて、世の中を理解する方法までも売り込もうとしている。その基本的な前提は、企業中心の工業社会において、社会秩序のメカニズムを供給するのはコミュニケーション産業ということにある。効率のよい経営管理を切望するビジネスマンの懐に迫るコンセプトだ。その一方で現代の消費社会の孤独で流動的な個人である私達に対し、ますます掴まえ所がなくなりつつある家庭関係やコミュニティーの絆を約束するのだ。イメージやテレビ広告では、覚えやすい言語、信仰のシステム、共通の完成を叩き込む回路を作り出し現代社会の一部となる意味を私達に説明してくれる。それは品物とサービスの販売と消費で定義つけられた社会、人間関係がしばしば金銭のやり取りで規制される社会、解決策を見出す必要に迫られればすべて金で片付けることが常識になりつつある社会だ。しかしこのようなイメージやテレビ広告は単に日常生活に組み込まれたものを再認識させるものに過ぎない。今の人間が消費の中で生きがいを探すのは現代の社会において問題である。
 その第一の原因として人々が働いている成果を実感せず生きがいがないことだ。農家の人たち(生産者)はたしかに製品を作ることで私は働いたなぁ〜。と実感をすることができ仕事に対する生きがいを感じ取ることができる。しかし今の社会はビルにこもった人も多くやたらとコンピュータと格闘している人も多い社会である。このような人たちは農家の人たちとは違い、働いている成果というものがあんまりなく実感することが難しいのである。働いて得られる成果なんて給料や些細な評価だけである。たくさん残業してそれに相当するボーナスをもらった時は働いたと実感するかもしれないが、ほとんどの人は働いている成果を実感できず、仕事が生きがいであると思わないのである。
 第二の原因として、消費をすることが素敵であると惑わすようなコマーシャルを作ることが原因である。テレビなどの映像に逆に影響されてはいけないのだ。自然界にもこのような例が存在する。えさを食べて満腹になったニワトリのいるところに飢えたニワトリを入れると、その飢えたニワトリがえさを食べるのを見て、満腹のニワトリも食べだすということだった。自分の本当の欲求ではなく、他者から与えられた欲求によって生きるという面が、動物にもあるのである。
 確かに、物などを消費するということは経済が発展することにおいて必要な行為である。またテレビのコマーシャルやテレビショッピングを見てみると、およそ人間が欲しいと思うもので売られていないものはないといっていいほどである。しかし、そのことが私達の人間や自然との直接の交流を妨げていることも事実である。人間は、消費するために生きているのではなく、まず生きることが先にあって、生きるために消費するという原点を忘れてはならないのだ。私は今、いろんなものを買ったりして消費するということはあんまりしていない。だが大人になるにつれ車を買ったり、家を買ったりとたくさん消費をする日が訪れるかもしれない。そんなときは買って楽しく消費して生きるという喜びまた、生きがいというものを消費している間に感じ取れるようになりたいと思う。

   講評   inoko

 ターミネーターさん、こんにちは。
生きがいを実感できない時代。昔の人と比較してみると、現代人の人生はあまり豊かなものではないのですね。社会のシステムが、生きがいややりがいを感じられないようにできあがっているので、その中で豊かな人生を送ろうとするのはとても難しいことになってしまったのですね。確かに、物質的に豊かになって、価値観も変化していますから、消費にしか生きがいを見いだせない現代を全面的に否定するわけにはいかないと思います。でも、これから大人になるターミネーターさんが心がけることは、まさに最後に書いていること。そして、自分の生き方をときに振り返る余裕が必要でしょうね。

☆ 最後の文章は、読点の位置と文の構成に注意。意図が誤解されやすいかな。→ そんなときは楽しく消費し、消費している間に、生きる喜びや生きがいを感じ取れるようになりたいと思う。

働いたなぁ〜と。実感する→働いたと実感する
あんまりなく→あまりなく
そんなときは→そのときは



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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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