創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   ラクダ40頭   のんちゃん

  

 もう20年も前のことでしょうか?友人のSちゃんがエジプトに一人旅をしました。Sちゃんは、海外に行く先々でもてます。この時もエジプトの商店で買物をしていると、そこの店主に見初められ、プロポーズされたそうです。この時、Sちゃんは30代、独身でした。当時、まだ日本女性は神秘と思われていたそうです。プロポーズの言葉が「ラクダ40頭をやるから、嫁に来てくれないか?」というものだったそうです。まるで夢のような話ですね。Sちゃんも、一瞬、クラクラときてしまったそうです。あとで、日本に帰ってきて、私に言いました。
「ねえ、のんちゃん。ラクダ40頭ってどのくらいの価値があるのかなあ?向うでは、きっと凄い財産なんだろうね。」
と、Sちゃんはちょっと残念そうに言います。でも、私はラクダ40頭もらっても、東京では食べさせるだけでも大変だと思います。しかし、嫁さんと動物の交換というのは、昔、日本の田舎にもあったそうです。農家では牛1頭が交換に使われたことがあるそうです。ラクダ40頭に比べると、少し悲しいですね。でも、私は思います。ラクダは遥か遠い月の砂漠を旅してこそ似合うもの。Sちゃん、私でも、そのプロポーズはお断りしていたでしょう。

   講評   tama

 のんちゃんの作文は、題材の面白さに加え、優しい人柄がにじみ出るような言い回しが魅力的です。お友達のSちゃんも、巨額(?)の財産を積んでもお嫁さんにしたいほど、魅力的な女性なのでしょうね。たしかに「ラクダ40頭」は、日本人にとってはリアリティがありませんが、熱烈なプロポーズをしてくれる男性が目の前にいるとあっては、乙女心が揺れるのも無理のないことでしょう。
 日本で実際にあった農家の悲しい歴史から、神秘的な月の砂漠への話題の転換で、全体が柔らかくまとまっています。Sちゃんのお話を真剣かつ冷静に受け止めた上での結びの語りかけも、温かさが感じられて素敵でした。

※ 一文の長さがやや短めですから、文をつなげるような形で書いていくと、さらに流れがよくなるかと思います。



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