低学年から学力の基礎を作る
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
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今のために生きる大切さ たけたけ
「ああすれば、こうなる」型の社会では、さらに違った側面が表れる。そのひとつに、時間の変質がある。「現在」とは、未来から過去へと繰りこまれる時の瞬間にすぎないはずだが、常識で言う「現在」とは、実質的な時間幅を持つことが当然の前提になる。この「現在」とは、「予定された未来」を指す。「ああすれば、こうなる」で拘束されていない時間と言ってもいい。つまり、本来の未来は、「ああすれば、こうなる」で拘束されていない時間を指すのだ。しかし、現代社会は、子供の「漠然たる」未来を奪ってしまっている。人が医師に、「先生、どうしたらいいですか」と尋ねているのは、「ああすれば、こうなる」を常識としているからなのだ。僕は、僕たちは未来のために生きるのではなく、今この瞬間を大切に生きることが良いと思う。
まず第一の理由に、先のことを考えても未来はどうなるか分からないからだ。「ああすれば、こうなる」型の社会の中で生きていると、計画を立てて生きるようになってくる。例をあげると、一週間後にテニスの試合がある。そうすると、明日は沢山練習して前日は早く寝る。そうすると、明日からの勉強の量を減らさないといけないから、明後日の遊ぶ約束はキャンセルしよう・・・。という風に、手帳には今日から一週間後までの予定が書かれる。つまり、「予定された未来」が出来るのである。しかし、その試合が、雨で中止になってしまった時、「あの時遊びの約束キャンセルしなければよかった。」、「勉強をもう少しやっていればよかった。」など、激しい後悔をする。「テニスの試合」のために一週間を生きるのではなく、一日一日充実した日々を送ることが大切なのだ。
第二の理由としては、未来のために時間を使ってしまうとストレスがたまってしまうからだ。僕はテニス部に所属しているが、テニスが未来の自分のためになるとは思わないし、テニスの選手になる、という夢はない。しかし、テニス部に所属している。何故か。答えは簡単だ。楽しいからである。未来のために生きるということは、このような楽しいことや今でしか味わえないことを全て無駄なものとしてしまうということであろう。そんな風になったら、僕だったら極度のストレス状態に陥ると思う。十代男性のストレス解消法(コニカ 1996年)一位カラオケ二位テレビゲーム三位ビデオ観賞、というデータがあるが、このストレスを解消する方法に、自分のやりたいことが表れていると思う。
確かに、予定を立てて生きていくことは大切だ。テニスの試合がある日の前は、常に最高のコンディションで試合を迎えるように練習メニューを考えなければならない。しかし、「私たちの人生は、私たちが費やしただけの価値がある。」という名言があるように、一日一日を一生懸命に生きていき、今を精一杯生きていくことが自分らしい人生を作るのだ。
講評 kira
たけたけくん、こんにちは。未来の夢と、今を楽しませてくれるテニスと、両方が充実しているのですね。
たとえば、進学校に進んで有名大学へ入学して安定した職に就くことを目標にして、時間を逆計算する毎日を送るなら、それは拘束された時間を過ごしていることになります。敷かれたレールの上を走っている状態ですね。そうではなくて毎日を充実させようというテーマでした。
未来はどうなるかわからないので、そのために今を犠牲にすると後悔することになりますね。予定を優先させるか、今の必要をとるか、この判断ができるようになりたいですね。
テニスは楽しいからする。それが今を充実させることですね。楽しいことが自分のやりがいのあることになっているのがベストだと思います。我慢はストレスのもとですね。希望に燃えるはずの10代のストレスには歪みを感じます。
毎日を輝かせている人が、本当の未来を切り拓くと言えるでしょう。
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