低学年から学力の基礎を作る
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
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不透明な言葉 hikari
我々は毎日、「伝達」・「実用的」に言葉を使うだけで満足している。それは、存在していながら、存在していないような、何か透明な感じがする。が、詩などは逆に不透明な感じーー一度立ち止まって考えさせられるようーーなのである。私はこの、不透明な、いわゆる詩的なものは、大切なものだと思う。
私がそう思う第一の理由として、ただ単に、実用的に使っているだけでは、言葉を楽しめないからである。例えば、早口言葉はいかがであろう。「蛙ぴょこぴょこ三ぴょこぴょこ 合わせてぴょこぴょこ六ぴょこぴょこ」というのは、実に有名だ。蛙は跳ぶ。その動作を「ぴょこ」で表している。私はよく、「三」と「六」の所でつっかえてしまう…というのはさておき、何故に「三」と「六」なのであろうか?一つの考え方として、私の友人は、
「全部三の倍数になっているんじゃないの?」
と言っていた。なるほど、確かにそうかもしれない。もしその仮説が合っているのだとすれば、つぎは「九ぴょこ」がくるのであろうか。けれども私は、蛙が蛙の上に一匹ずつ乗っており、肩車をしている様子を思い浮かべるのだ。そしてその組み合わせが二組あり、「三ぴょこ」する。さすれば「合わせてぴょこぴょこ六ぴょこぴょこ」の計算と適合するはずである。(“肩車”という点が、どうしても気になってしまうのだが。)どちらにしても、これは早口言葉であるからこそ、楽しめるのであって、もしこれが文章であったら…?もしそうだったら、私は早口言葉のリズミカルな楽しさを知らなかったであろう。やはり、私にはこの様な詩的なものはいいと思うのだ。
第二の理由としては、詩的なものの方が、印象強いからである。代表的なものと言えば、CMによく出てくるキャッチコピーがある。大手自動車メーカーのTOYOTAでは、広告だけで何と、七百九億万円(一九九五年・日経広告研究所より)も使ったそうだ。確かに広告はとても効果的だが、別にそこまでしなくても…とも思う。車関連でいけば、私はダイハツの「エコカー減税」のCMが好きである。「カクカクシカジカ 四角いムーヴ コンテ新登場」と、おなじみの鹿のおじさんが出てくる。わたしは部活で、中三の先輩が、竹刀の手入れをしている時に口ずさみ、評価しているのを見たことがある。
「あの鹿のおじさんの声と、可愛い外見とのギャップがいいんだよね〜。」
「私はあのテンポの良さがいいんだとと思うよ。」
先輩の会話を間近で聞くことは滅多に無いことではあるが、結構有名だということがよく分った。確かにCMで流せば、皆知ることにはなるがにはなるが、印象深いものはあまりない。文章の読み聞かせをタラタラと聞いているよりも、ポンポンと流れ、歯切れとリズムの良い詩を聞かせ、深みのあるCMにした方が、何倍もよいのではないか…。私はつくづく思う。
確かに、事実を伝えるためには、透明な言葉も必要である。けれども、名言「存在するものには、良いとか悪いとかを言う前に、すべてに意味がある」からも分るように、意味があるのだ。別に無くてもいいのでは?と頭ごなしに決めつけないで、我々はその事実を認めねばならないと、私は思う。
講評 onopi
よく書けている意見文です。言葉の持つ面白さや奥深さをあらためて感じられました。
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