国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   松本ドライブ旅行   のんちゃん

 

 今年の10月に、主人の運転で89歳の義母を連れて松本に行ってきました。松本は、義母の故郷です。もう、40年も、行っていないとのことでした。義母は認知症のうえに、歩けないので介護度5です。私は、そんな長旅、大丈夫かなあと思いました。その日は日曜日だったので、高速料金が1000円ですむということもあって、主人は決断したようです。パーキング・エリアでは、義母を乗せているので、障害者用の駐車スペースに停めることができます。やはり障害者用のトイレを使ってオムツ交換をしました。
 松本に入って川がみえてきました。義母が幼少の頃、遊んだというめとば川のようです。信号の下に「渚町一丁目」という表示が見えました。主人は、
「母親は、渚町に住んでいたそうなんだ。」
と、言います。でも、認知症が進行してしまっている義母は何の反応も示しません。しかし、松本城まで、車椅子に乗せて行くと、私の洋服を引っ張り、
「お姉さん! お姉さん!」
と、興奮して叫びます。嬉しそうです。松本城をバックに、主人と義母の写真を撮りました。
 しかし、帰りが大変でした。小仏トンネルから相模湖まで大渋滞。ここを抜け出すのに、いったい何時間かかったことでしょう。まるで、監獄に閉じ込められているようでした。高速ではなく、低速でしたね。夜は更けてくるし、義母は後部座席でトイレの訴えをするし、大変長い時間を車中で過ごしてしまいました。結局、東京に戻ってきたのは、深夜の1時過ぎでした。松本から帰るのに7時間近くかかりました。私は主人に、
「松本に日帰りで行くなんて、二度とごめんだわ。日曜日や祭日に、高速を使うのなんて、こりごり。いくら1000円で行けるといっても、疲れ果ててしまう。」
と、ブスッとして不満たらたらで言いました。主人は、
「ここまで、渋滞するとは思わなかったんだよ。」
と、すまなそうに言いました。
でも、運転している主人が、一番、疲れたことでしょう。それに、40年ぶりに里帰りができ、喜んだ義母のことを思って、松本に行って良かったんだと自分に言い聞かせました。思い立ったが吉日で、出来る時にしておかないと、タイミングを逃してしまいますものね。

   講評   tama

 介護の必要なお義母様との長時間のドライブ、本当にお疲れ様でした。外出時にいちばん困るのは、やはりトイレの問題だと思います。ご高齢ということもあり、休憩場所や時間を考えながら運転されていたご主人とのんちゃんには、頭が下がる思いです。
 40年ぶりに故郷を訪れたお義母様の心をとらえたものは、思い出の遊び場所や街並みではなく、松本城だったのですね。もしかすると、のんちゃんやご主人も知らない深い思い入れのある場所だったのかもしれませんね。言葉はなくても、きっと心の深いところで、お義母様はのんちゃんご夫婦に感謝の思いを伝えておられたに違いないと思えてなりません。
 疲れて不満を漏らすのんちゃんに、申し訳なさそうに頭を下げるご主人。ここになぜか「夫婦円満の図」が見えてくるのは、私だけではないと思います。

※ 「高速(道路)」ならぬ「低速(道路)」。このユーモアには笑いました。

※ 短い文をつなげて、1文をもう少し長くすると、文の流れがよくなりそうです。


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