国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   否定の仕方   サニー

 日本人は、ある物事を否定するとき、声を落としがちだ。きっぱり否定すると、その否定が事実の否定を飛び越えて、相手の考え方や感じ方の批判まで及ばないとも限らない。その控えめな態度によって、否定が事実だけに限定されることを、無意識のうちに示唆しているといえる。日本人は、いつしか読心術のようなものを身につけ、言葉の見せかけに惑わされることはないが、外国人にとっては解し難いことが少なくない。<要約>僕ら日本人でも、相手が否定しているのか肯定しているのか迷うことがある。
「もうご飯食べた?」
「ううん。」
「それって(否定か肯定か)どっちの『ううん』なの。」
このようなやり取りは珍しくない。なぜこんなにも日本語には曖昧な言葉が氾濫しているのだろうか。
 確かに、「いいえ」とはっきり否定することは大切だという意見がある。人間生きていれば誰しもこのような経験があるだろう。僕が通う茶道クラブでは、年配の人が多いせいか、同世代の友人といるときよりも、遠慮からくる曖昧さを多く感じる。例えば、お茶を頂く席に着くとき、
「(お客)お先にいかがですか?」
と聞くと
「いえいえ、私は後でいいです。」
と、遠慮する人が多い。本当に嫌なのか、気を遣って遠慮しているのか、相手の仕草から推量することはできなくもないが、相手の気持ちを推し量るのに疲れてしまう。また、母に聞いたところ、お茶会のときに、茶花に関する知識のある人が、やたら遠慮して生けようとしない。結局、素人が生けた花を、知識のある人が後から生け直してしまうそうだ。それなら、最初から遠慮しないで知識のある人が積極的に花を生けるべきだと母は思っているようだ。このように、否定しないことと遠慮は微妙に絡み合っていて、日本人独特のコミュニケーションの特徴になっている。勿論、年配の人たちから学ぶことは多い。しかし実は僕も母も、この遠慮が年配の人たちとの付き合いのうえで苦手とするところなのだ。
 しかし、相手を思いやってはっきり「いいえ。」と言わないほうが良いという意見がある。「竹取物語」で、かぐや姫は、とても多くの男性から求婚された。しかし彼女は、自分は結婚できないことを知っていたので、誰にも「はい。」とは言わなかった。帝からも寵愛を受けた彼女は、最後まで肯定も否定もせず、とても上手に取り澄ました。これは、人を傷つけないための思いやりといえるだろう。
 確かに、誤解のないように自分の意思を伝えていくことも相手に対する思いやりを持つことも大切だ。しかし、一番大切なことは、「悪いことそのものがあるわけではない。ときと場合によって悪いことがあるのである。」という名言があるように、自分の要望を尊重しつつ、人間関係を崩さないように、自分の意見をはっきりと述べることだ。僕も、これから学校のディベートなどで、相手の意見を尊重しつつ、自分の意見をはっきりと提示して安定した人間関係を築いていきたい。

   講評   komiko

 サニーくん、こんにちは! はっきりと否定することについての意見文に取り組んでくれましたね。「その人らしい会話」を入れることで場の情景がよく浮かんできました。

 「要約」をていねいにまとめることができました。「意見一」では、『いいえ」とはっきり否定することは大切だという意見がある。』と、書いてくれて、体験実例としてお茶の席での譲り合い、遠慮について具体的にサニーくんが気持ちを推し量りにくいと感じていることを「途中の感想」でよく表せていました。テーマにぴったりの「体験実例」でしたね。「意見二」では「相手を思いやってはっきり「いいえ。」と言わないほうが良いという意見がある。」と挙げて「昔話の引用」でかぐや姫の処世術を入れながら人を傷つけない思いやりのこもった断り方について考えられましたね。「総合化の主題」では「人間は強くなるほど素直になれる」という「名言の引用」を書いて「自分の要望を尊重しつつ、人間関係を崩さないように、自分の意見をはっきりと述べることだ。」と、うまくまとめていますね。「具体的結び」も説得力があるまとまりになりました。よく大事なポイントを意識できていますね。

 次は、12月21日(月)に電話をします。課題は、「一人一人の話が(感)」を読んでの意見文になります。暗唱は「わずか一粒の種から」の1.2.3に挑戦しましょう。

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