低学年から学力の基礎を作る
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
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ボランティアの広げ方 いへゆ
日本人には、ボランティア精神が希薄で、ボランティアのシステムを社会的に定着させるのは困難ではないかとの意見がある。確かに日本は、キリスト京のバックボーンもないし、みんなが集まる地域の場もない、時間的余裕もない。しかし、日本人には伝統的に仏教的なフィーリングがある。「困ったときはお互いさま」という相互扶助の精神である。そして、最近は時間的ゆとりもかなり出てきた。ボランティア活動をするための条件は、二本でも熟し始めている。
私はアメリカやドイツに比べて日本はボランティア活動が盛んではないことが問題だと思う。
なぜ日本は他の国に比べてボランティア活動が少ないのだろうか。
その原因として第一として、子供のころからボランティア活動を見慣れてないからだ。ボランティア活動というと、私は大きいイベントを思い浮かべてしまう。小学校であったユニセフの募金や森林を増やすための募金など、大きな団体がしているものしか見たことがない。ニュージーランドの学校で生徒が3・4人のグループを作って小さなボランティアの募金活動をしていた。私はそれを見たとき「やっぱり外国では生徒がいろんなこと積極的にしてすごい」と思った。そのときはただ単にそれを一つの文化の違いとしてとらえただけだった。しかし、今考えてみると小さいときからいろいろな活動を見て育っているから、ニュージーランドでは学生がボランティア活動をするのは普通なのだ。日本でも小さなボランティアをもっと積極的に始めていくべきだ。
その原因として第二として、時間がないからだ。日本人は1日にやることが多すぎる。仕事をしている人はもちろん、大学生から小学生まで、毎日いそがしい。時間がなければ「人のために」という考えは頭から消えてしまう。よく「都会の人は冷たくて怖い」と聞く。都会で働いている人はほんとに半端なくいそがしい。いそがしすぎて自分の今日やることの計画しか頭にないから、そんなときに「世界の貧しい子供たちに募金を・・・」というボランティアがあっても見向きもしないだろう。前に「日本人はいそがしすぎて家族と過ごす時間が少ない。」という長文を読んだことがある。家族と一緒に過ごす時間も十分にないのにボランティアにあてる時間をつくるのは難しいと思う。
たしかに、ボランティアをしすぎて本業の仕事のほうをおろそかにするのはよくない。大きなボランティアをひとりでしているとマスコミの人が注目してテレビや新聞に載ることもある。そういうふうになると、仕事よりもボランティアのようにすることに変な価値を見出してしまって、仕事をしなくなってしまうかもしれない。しかし、「ボランティアとは、人のためだけを思ってすることではなく、自分の心をきれいにするためのものでもある。」。やはり、私は日本でボランティア活動が少ないのは問題だと思う。
講評 huzi
ここ数年で、ボランティアについての意識が日本でもかなり向上したようですが、日常の参加しやすい方法で…というと、案外思い当たらないものですね。
【問題】をはっきりさせた意見展開ができました。
見慣れていないからだ。この指摘は、感覚的ながら結構的を得ています。ニュージーランドで、気軽に友達同士で行われている、ボランティア活動を見て、「すごい」と思ったようですが、日本に来て同じことを始められるか? 社会全体のあり方として、「慣れ」が熟成されていないと難しいのですね。
時間がないというのも、もっともな原因。とくに最近は、経済的余裕のなさにばかり目が行く風潮ですね。
【反対意見理解】、「変な価値」とある表現は、単に「価値」または「自分の居場所」でいいかな。
【自作名言】は、自分の感覚を生かしたね。これまでに書いた意見=現実的視点 を名言にまとめてもよかったでしょう。
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