創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   三つぶの豆のゆくえ   リラックマ

「キーンコーン、カーンコーン。」
と四時間の終了を告げるチャイムが聞こえてきました。次は、私が楽しみにしている給食です。今週は給食当番ではないので、今日のこんだては何かと待ち遠しく思いながら席にすわっていました。
 給食がやってきました。係りの人が、次々とみんなにお皿を配っていきます。私はふと自分の机に視線を下ろしたとたん、一枚のお皿に目がくぎづけになりました。給食のサラダに、私の大きらいな色とりどりの豆が入っていたのです。私はまるで、アリの大群を見たときのようにぞわぞわっとして、背中に冷や汗を感じました。いただきますの号令の後に、さっそくサラダをへらしに行きました。クラスの約束は、きらいな物はへらしてもいいけれど、苦手な物でも三つは必ず食べなければならないということです。私は、三つの豆がのったサラダを持って席へもどりました。一年生の頃、豆を食べてはきそうになったことを思い出して、どよんとした気持ちになりました。
 私はついに決心をしました。豆を食べる決心ではありません。豆を捨てる決心です。私のとなりの席のAちゃんも、豆が大きらいです。そこで私たちはティッシュで豆をくるむと、先生にトイレへ行くことを伝え、席を立ちました。トイレの個室に二人で入ると、
「二人だけのひみつね。」
と声をひそめて言いながら、豆をトイレの便器に流しました。私は食べ物をそまつにして、少しうしろめたい気持ちになりました。
 お母さんも子どもの頃、食べ物をそまつにしたことがあったそうです。お母さんは、給食のコッペパンがきらいで、いつも残していたそうです。毎日パンを家に持って帰ると親に心配されて気が引けるので、家のとなりの草むらに投げこんでいたそうです。お母さんは今でも、そのことを思い出すと心がいたむらしいです。
 この内しょの話は、お母さんも私もおたがいに初めて打ち明けたものでした。私の内しょの話は、先生に知られたらまずいけれど、お母さんにばれてもしかられない気がしていました。なぜなら、お母さんもたくさんいたずらをしていたように思えたからです。案の上、やっぱり悪いことをしていたので、私と同じだと思って少しほっとしました。でも、これからは、食べ物をそまつにしないようにしようと思いました。今日の給食で完食してきれいになったお皿は、かがやいていました。

   講評   kou

 大きらいな豆が給食にでたときのリラックマちゃんの反応やその後の行動がなんともゆかいに書かれていて、とても楽しい作品です。うしろめたい気持ちをもっていたものの、お母さんとお互いのひみつを打ち明けあって安心する様子など、気持ちの動きもよく表れていました。

 今年も楽しい作文をたくさん書いてくれました。来年もまたいっしょにがんばりましょうね。

毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘 
 自動採点ソフト「森リン」で上位になった作文を掲載しています。
 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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