国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   おいしいもの、まずいもの   しちみ

 心地良い風が吹き、木の葉が気持ちよくゆれている。私はおにぎりを一口ほおばった。ゆかりとごはんのおいしさが、口いっぱいにひろがった。母の作ってくれたおいしいおにぎりのおいしさを、雲一つない青い空が倍増させた。
 この前、授業参観があった。授業参観では、給食センターがお休みで、お弁当を食べる。参観日では時々、勉強をがんばったごほうびということで、先生が外で弁当を食べさせてくれる。それで、その日朝起きてくると、母が台所でボールとおかまをならべ、ふりかけらしきものをふったり、混ぜたりして、何かをせっせと作っているようだった。
「それ、私のお弁当?何作ってるの?」
と言いながらおかまをのぞきこんだ。すると、
「そう。ゆかりのおにぎりを作ってるの。」
と母が応えた。私は心の中で「やったぜ!今日はついてる」と叫んだ。そして学校の給食の時間に(弁当だったが)友達とワイワイガヤガヤと話しながら、おにぎりをパクッと食べたら、すごくおいしかった。本当にほおが落ちるかと思った。ハンバーグやカレー、ケーキ、おすし、すきやきなど好物はたくさんあるが、あのときのおいしさは、一生忘れないくらいおいしかった。
 私は好ききらいがあまりなく、好物もたくさんある。しかし、こんな私でも弱点はある。それはイクラだ。イクラといえば高級なすしネタ…というイメージが強いので、イクラがきらいなの!?と思う人は多いと思う。しかし、私はきらいなのだ。かんだときにでるあの液体もきらいだし、そもそもイクラはサケのたまごなので、何だか人様のうんだ子供入りのゼリーを食べているようでうぇっとなる(にわとりの卵は食べられる)。においもきらいだし、イクラなんて絶対一生のうちにもう一度食べたいと思うことはないと思う。イクラを初めて食べたのは小学二年生か三年生位だったと思う。イクラのきらいな母は、兄と父にイクラを全部あげていた。すると、兄も父もよろこんで、おいしい、おいしいと言いながら食べていた。見ているとつやがあってまっかで、見た目はおいしそうだったので、兄と父に
「これ、おいしい?」
と聞くと、母は
「やめておきなさい。あたしがきらいなものはだいたいしちみもきらいだから。」
と言った。しかし、私はどんな味か知りたかったので、父と兄に許可をえて、母のどうなっても知らないからねっという言葉を聞きながら一つぶ口の中に放りこんだ。次のしゅんかん、まずい!という言葉が頭の中をグルグル回った。まるでそれはイモムシ(食べたことはないがそんな感じだった)を食べているような感覚だった。それ以来、もう私はイクラを食べないようにしている。
 人にとって好ききらいとは、なかなか克服することができないものだ。むしろ、それは個性なのだ。私の場合イクラがきらいだが、それは別に食べなくても生きていける。それに、世界じゅうには私の知らない食べ物が五万とあるのだ。その中から自分の好物を見つけ、個性にしてしまえばいいのだ。十人十色というように、人の好ききらいはいろいろなのだ。私は、好物のおにぎりを、また一口ほおばった。

   講評   onopi

 人を引き付ける上手な書き出しとともに、最後の結びの文もしっかりと決まっている作文です。好きなものと嫌いなものを通して個性について考えるところまで持っていけたのはとてもいいと思います。
 

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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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