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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   言葉と時代   たけたけ

日常語として使われているうちに、原義とかなり違った意味用法になっていった漢語がある。例えば、「馳走」「遠慮」「結構」「世話」等である。このような言葉の正しさを論ずる時にとかく語源が引き合いに出されるが、語源の通りでは社会情勢の変化のために合わなくなるものが多い。語源の通りであることが正しいということになると、今の現実の社会には合わないことになる。しかし、そうかと言って、いちいち言葉を言いかえるのも大変なことだ。ただ、在来語を捨てて、外来語を使ったり、新しい漢語を作って使ったりすることも事実である。結局、言葉は各人の言語意識によって動いていくようである。そして、その言語意識を作り上げるのは、主としてその人の経験、教養、学校で受けた教育である。言葉の正しさの規範意識もそこから生れ出る。僕は、実態に合わせて言葉を変えていくべきではないと思う。
 その理由として第一に、頻繁に言葉を換えると混乱が起きるからだ。社会の進歩によって実体が変わるものはよくある。例えば、「筆箱」である。筆箱と言うと、大半の人は、ペンや消しゴムなどを入れる物、という認識をしているであろう。しかし、この「筆箱」とは、文字の意味だけで読むと、「筆を入れる箱」である。しかし、この時代だれも筆箱に筆を入れる人はいないであろう。だからと言って「鉛筆箱」や「シャーペン箱」など時代が変わるにつれて、言い方を変えていったら、正しい日本語がわからなくなるし言葉が通じなくなる。
 また第二の理由としては、昔から使っていることばにはなじみがあるからだ。「下駄箱」とか「黒板」等の言葉は、とても馴染み深く、よく使う言葉だと思う。しかし、いまどき学校に下駄をはいてくる人はいないし、黒い黒板はない。そこで、今では、「くつ箱」と言う人もいるし、靴入れ、という人もいる。しかし、「黒板」は黒いものというより、緑や白いものが増えてきた。緑の黒板や白い黒板というのは、矛盾しているが、かといって緑板や白板というのも変である。下駄箱、や黒板というのは昔から日本人が使い、その言葉自体に意味があることばなのだと思う。四季を代表する旬の食材。春、一位筍 53.3%夏、一位スイカ44.5%秋、一位サンマ38.5%冬、一位大根19,5%2位みかん17.3%(ミツカン 1996年)。というデータがあるが、昔からなじみがあるものに、人は愛着をもつのだ。今の季節お年玉をもらう人も多いかもしれないが、このお年玉という言葉も意味的には変だ。しかし、やっぱりこの言葉も、社会の変化に合わせて変化してはいけない伝統、とも言える言葉なのである。
 確かに、実態と言葉が一致している方がわかりやすいこともある。外国人に日本語を教える時に、実態と言葉が一致している方がわかりやすいし、社会の変化に合わせることも大切だ。しかし、「自分の心のうちに持っていないものは何一つ自分の財産ではない。」という名言があるように、自分が普段よく使ってなじみのある言葉を使うほうが実感がわく。いくら、この先社会が進歩して、いくら黒板が青くなったり赤くなったりしたりしても、黒板は黒板なのだ。

   講評   kira

 たけたけくん、こんにちは。来年も考える作文をがんばりましょう。

 よいお年をお迎えください。

 総合得点、あれれ? でも、表現語彙のすばらしさ。最高級ですね。

 

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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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