国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく。

昨日2788 今日187 合計12329
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

小学1・2年生   小学3・4年生   小学5・6年生   中学1・2・3年生   高校1・2・3年生

   知らない誰かに   紫式部

人に何かをしてあげるという行為は、人に言われてする事でもないし、もちろん言われたからといってその気が起きるほどそう一筋縄ではいかないものだ。日本人は外国に比べてボランティア精神が希薄で、その精神が根付きにくい国といわれる。しかし、日本にも仏教の精神に基づいた、相互扶助の精神が生きていることは確かである。キリスト教をバックボーに置いた見返りを求めない外国の「ボランティアの精神」と、困ったときはお互い様という日本の「相互扶助の精神」。一概にどちらが良いとはいえないが、ボランティア活動が盛んになってきている日本の中に、相互扶助と合わせてボランティア精神が入って根付けばいいと思う。だが、なかなか根付きにくいというのが問題なのだ。
 第一の原因は、ボランティアをする時間がないということだ。精神面よりも物理的な問題が大きな壁になっている。長い労働時間で疲れた体で、わざわざ貴重な休みの日を使って、世の中のために働こうという気持ちは自然と二の次になってしまうのは致し方ないような気もする。そんな日本人の物理的障害を利用して、忙しい仕事の合間に、会社全体でボランティア活動日を儲け、息抜きもかねて活動している会社が出てきている。まだ、ほんの一部の上場企業のことに過ぎないがよい取り組みであると思う。
 第二の原因は、それをする事がいい事だと分かっているのに足踏みしてしまう日本人の心だ。例えば、蛹が蝶になり飛び立つ時。蛹は早く蝶になりたいと願うだろう。ずっと固い殻の中で羽を広げることを待つじれったさは、ある日、殻に入ったひびと同時に外に飛び出す。殻が割れるというきっかけ。そのきっかけさえれば飛び出していけるのだ。日本人にボランティア精神がないとは思わない。何らかのきっかけをつかめないでいるのかもしれない。ボランティアを先頭に立って引っ張っていく人、そのようなきっかけとなる存在が大切だ。
 確かに、日本には日本の相互扶助という助け合いの精神がある。しかし、見返りを求めない無償の行為というのも大切なものである。私は「今日はいいことをした。いつか廻りめぐって私にもいいことがあるかもしれない」と考える。でも、返ってこなくても良いではないか。確かに返ってこなくてもいいのだ。私一個人が感じた見えない相手に無償で何かをしてあげることで感じた幸せが、ボランティアに繋がっていくのだろう。小さいな事が大きな事へ、ボランティアが日本に根付けばいいと思う。

   講評   kira

 紫式部さん、こんにちは。日本のもちつもたれつの社会で生きてきて○○年。厳しい世相で義理も人情もないようなありさまも見ますが、人助けをしている人はよく見かけます。ただ、ボランティアという言葉については特別な意識を抱いてしまうのが日本人のようです。
 「時間がない」これは切実です。今や、小さい子供から忙しがっているのですから、どうしようもない。そのうえ、公私混同を極端にきらう私たちは、公は尊く、私は二の次にという感覚で仕事以外の時間を豊かにしようと積極的になることはないようです。
 そして日本では旗振り役が出てきません。蛹のなかのじれったさを感じている人は少なからずいるのでしょうね。覚醒したいものです。
 「おかげさまで」という言葉が日本にはあります。だれの「おかげ」というわけではなく、神様ご先祖様たちの庇護によってという意味です。無償の行為がくりだせる人になりたいですね。


毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘 
 自動採点ソフト「森リン」で上位になった作文を掲載しています。
 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

作文教室受講案内   無料体験学習   作文講師資格 
Online作文教室 言葉の森  「特定商取引に関する法律」に基づく表示」  「プライバシーポリシー」 
お電話によるお問合せは、0120-22-3987(平日9:00-19:30)