国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   「物」と「心」   ショウ

 今、日本は、人や物であふれかえっている。明日の天気がどうなれか知りたければインターネットですぐに分かり、遠く離れた地球の裏側の人とも、電話一本で連絡を取れる。昔であれば、雲の様子を観察し、風の動きを読み、それを元に天気を予測しなければならなかった。地球の裏側もおろか、東京と大阪くらいの間でも手紙が届くのに数日はかかる。今とは大違いだ。今こうして作文をパソコンで書いているときもキーを押しただけで画面に文字が表示される。さらに、それを漢字に変換することだってできる。普段当たり前のようにして使っているパソコンも、世の中が便利になった象徴だと思う。
 確かに、物が豊かなことはとても良いことだ。人類は、自分たちの生活をよりよくしようとしてきた。大昔の火や文字に始まり、電球、テレビ、電話など次々に新しいものが発明されていく。それらは全て、不便なことを解決しよう、便利にしよう、という思いから生まれた。物が豊かでなければ人は生きていけない。飢えや寒さに耐えられる環境があるから今こうして生きているのだ。
 しかし、物が豊かなだけでは不十分だ。「物」の豊かさも大切だが、「心」の豊かさも必要だ。昔話に「笠地蔵」がある。ある老夫婦が金に困り、おじいさんが手作りの笠を売りに町へ出かけるが、笠はひとつも売れなかった。吹雪いてくる気配がしたため、売ることをあきらめ、家へ帰ろうとする。吹雪の中、七体の地蔵を見つけたおじいさんは、その売れ残りの笠を地蔵に被せた。しかし、おじいさんの笠を含めても最後の一体の笠が足りなかったため、手ぬぐいを被せていった。その夜、外に様々な食料、財宝がつまれていた。老夫婦は手ぬぐいをかぶった地蔵を先頭に7体の地蔵が去っていくのを見つける。この贈り物のおかげで、老夫婦は無事に年を越した、という話である。おじいさんは、笠をそのまま持ち帰っていれば次の日には売れたかもしれないのに、寒そうにしていた地蔵にそれを被せた。おじいさんは、やさしい心の持ち主だったのだと思う。
 物の豊かさも心の豊かさもどちらも大切だ。しかし、もっとも大切なことは、その二つの両方を持った社会を作っていくことだと僕は思う。

   講評   kei

 物質的に豊かになることと精神的な豊かさが反比例してしまっているような現代。いったい何が大切なのかを考えるきっかけになりましたね。「物の豊かさと心の豊かさと両方をもった社会を作っていくことが大切だ」というショウ君の意見をはっきりと書けました。
 では、その両方を持ち合わせた社会を作るにはどんな工夫があったらよいと思いますか。この工夫こそがこれからとても重要視されるべきことだと思います。大人が社会的に行っていく政治や経済活動の中にもたくさんあります。家庭生活の中で身近にできることもたくさんあると思います。それから、中学生のショウ君にできることもあるでしょう。それは、いったいどんなことだと思いますか。これをじっくり考えて、結びとしてまとめてみてください。1200字まであと300字ちょっと。この部分を膨らませてみましょう。
 ご両親、おじいちゃんやおばあちゃんに、昔(?明治、大正、昭和ですね・・・)の生活と今の生活の違いについて(物と心について)感じていることを聞いてみると参考にできることがたくさんあります。



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