創造と発表の新しい学力
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
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そっ啄を読んで クローバー
得がたい好機の意味で使われるそっ啄の機という言葉がある。早すぎず遅すぎず。まさにこのときというタイミングだ。新しい考えを生み落としているのに自覚しなかったり、ついばむ力が外から加わっているのに、頭の中にちょうどその段階に達しいる卵がなかったり、むなしく機会を逸してしまうことも少なくない。人間にとって価値のあることは、大体において時間がかかる。そっ啄の機はいつやってくるかしれない。折に触れて立ち返ってみる必要がある。
ぴったりのタイミングで何かが起こるというのはすごくまれなことだ。でも、土日で私と母が先に起きているとき、父は、絶対に朝ごはんができた瞬間に起きてくる。先週の日曜日も、はちみつトーストが
「チ〜ン。」
と焼きあがると同時に、リビングのドアが
「パタン。」
と開いて
「お〜いいにおいだなあ。」
と席に着いた。それが分かっているから、母は、父が起きていなくても三人分の朝ごはんを必ず作る。父が朝食の用意ができたのがわかるのは、においなのか腹時計なのか、それが謎だ。聞いてみると父は
「ぬはははは。」
と笑っただけだった。
私もピッタリのタイミングでいいものが手に入ったことがあるのをよく覚えている。去年の10月に親せきから、マルセイバターサンドをいただいた。今年もいただけるかなあ、と思ったが、同じお店の違うものだった。それもおいしかったけれど期待していただけに残念だった。その週末、新宿のユザワヤに母とお買い物に行った。ユザワヤに行くと中で「北海道展」をやっていた。母が最初に目に入ったのは花畑牧場の生キャラメルアイスだ。私と母は、銀座で食べようと思った時すごい行列であきらめたことがあったから、私もうれしかった。それはあったかキャラメルと冷たいアイスのハーモニーでまるで天使が私の顔の周りを回っているような感じでおいしかった。そこに向かうときに天井からすべての店の名前と一番人気のある商品の看板がぶら下がっていることに気がついた。そして私に目には「マルセイバターサンド 六花亭」が飛び込んできた。おいしいアイスを食べながらも私はマルセイバターサンドがずっと気になっていた。アイスを食べ終わり母におねだりしたが、
「アイスを食べたからダメよ。」
とあっさりことわれてしまった。そうだ、この前祖母にもらったおこずかいがある!と私は自分のおこずかいで買うことにした。家に帰ってじっくり味わって食べた。
この長文を読み自分の体験を通して、得がたい好機、そっ啄の機はいつやってくるか分からず、信じられないときにやってくることがわかった。私は、しょっちゅう産み落としている新しい考えをなるべく無駄にしないようにしていきたい。
講評 hoemi
《構成》 そっ啄の機をしっかり理解した上で要約できましたね。とても読みやすく分かりやすい要約です。
《題材》 お父さんが起きる時間の何とタイミングのいいこと!待ってましたとばかりにタイミングよく起きてくるお父さんの姿を思わず想像してしまいました。バターサンドの話もそっ啄の機と言えるでしょうね。ほしいなと思っていたものがタイミングよく手に入るというのは本当にうれしいことですね。やはり物事にはタイミングは欠かせませんね。
《表現》 生キャラメルアイスがどれだけ美味しかったかがよく伝わってくるたとえですね。食いしん坊の先生はつい「食べたいなぁ」などと思ってしまいました。
《主題》 「わかった」を使ってまとめることができましたね。いつとも知れずやってくるそっ啄の機に常に備えるのは賢明なことといえますね。
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