国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   理論と実践   ポンピー

 慰霊祭のたびに官僚たちの挨拶がある。「・・・・・・みなさまの尊い犠牲の上に今の平和があることを決して忘れず・・・・・・」という言い回しを何度か聞いた。そのたびにそれは違うと思った。犠牲がなければ今の平和がなかったわけではないだろう。誰だって同胞たちの死を無駄とは思いたくない。意義のある崇高な死と見なしたい。しかし、無駄と認めないのは、自分たち人間の愚かさを糊塗することに他ならない。いったい大日本帝国はどこまで抵抗したか。軍の指揮系統はどの程度混乱していたのか、天皇はどこで収拾を図り得たか。だいたいあの時期には誰にどれだけの権力・指揮力があったのか。五十年もたって、関係者の多くが死んでしまって、回想録の類も出尽くしたというのに、その程度のシュミレーション(模擬的に調査・実践をして研究すること)を誰もしていない。
 戦争の悲惨さを後世に語り継ぎ、反省することは大切だという意見がある。
 人類の失敗は戦争だけれど、私の失敗としては、忘れ物だろう。たまに、不注意がモトで、忘れ物をすることがある。そのときは、きちんと反省しておくと、次から忘れにくくなる。
 しかし、どうすれば戦争にならないかを考え、対策を立てることも大切だという意見もある。
 昔話に、『桃太郎』という話がある。この話は、鬼の襲来に困っていた村人達は、鬼を退治するために、強かった桃太郎を鬼退治に向かわせ、桃太郎はみごと勝利をおさめ、鬼達は村に来なくなった、という話だ。この村人達は、こうなるといい、ああなればいい、と考えるだけではなく、具体的な作戦を立てて行動したからこそ、鬼に勝てたのだ。もし、村人達が、毎年毎年大がかりに、さらわれた人への慰霊祭をするだけなら、鬼はいっこうに襲来をやめなかっただろう。
 確かに、過去の戦争をふりかえることも、戦争を避ける対策を立てることもどちらも大切だ。しかし、一番大切なのは、『知識がはしごを作ったのではなく、二階に上がりたいという熱意がはしごを作ったのだ』という名言があるように、私達が平和を願う強い気持ちを持つことだ。

   講評   itoyu

 戦争を繰り返さないためにすべきことを考えられました。
 《2段落目》
 「戦争の悲惨さを後世に語り継ぎ、反省することは大切だ」という1つ目の意見と体験実例。書き出し部分がユニークで、不謹慎ながら思わず吹き出してしまいました。忘れ物についての具体的なエピソードもつけ加えてみましょう。
 《3段落目》
 「どうすれば戦争にならないかを考え、対策を立てることも大切だ」という2つ目の意見と昔話実例。「桃太郎」の話を引用し、「村人たちが具体的な作戦を立てたため、鬼を退治することができた」と考えられました。「さらわれた人への慰霊祭をするだけなら〜」と、長文とうまく結びつけることもできました。
 《4段落目》
 名言を引用し、「私たちが平和を願う強い気持ちを持つことが最も大切だ」と、意見を総合化できました。
                             

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