創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   世間という空間の突破   arugebak

僕は小学5年生の時から少数意見になろうがかまわず自分の意見を言うことの後味の良さを感じていた。(と言っても当時は単純に空気を読まずにとにかく何でも発言していたので周りは迷惑だっただろうが。)
 そんな自分は他の人と同じように手を挙げたり、人数が多いからという理由で意見をすぐ変えたりしてしまう人などを見ると残念に思う。なぜなら周りの人と同じ意見しか持たないのでは次第に自分で考えるということをしなくなってしまうからだ。これは実は大きな損をしかねないことである。例として“他の人と同じ”という事が結果に大きな影響を与える多数決などではより多くの人々が自分にとって良い結果を得ることが出来る等のメリットもあるが学校などでは人と違うこと、斬新な意見などは笑われてしまう、間違いは恥などの心理から多くが意見を持たない、または述べなくなってしまい、例えば友達関係を持つ一部のグループがある意見に賛成した時点で後は連鎖的に他の人たちもそれに賛成し、その後の意見がほぼ無視されるという衆愚的状態が珍しくない。僕のクラスでは運動会のスローガン決めで前述のパターンで明らかにおかしいものに決まってしまったこともある。
 また多数決は民主政治によく見られるものだが、これもシステムを整備しなければ衆愚的政治になり得るのである。もちろん今は民主主義のほとんどの国で衆愚的にならないよう工夫がなされているが、世界で最初に民主主義を導入した古代ギリシャのある国は衆愚政治に陥った。
 少し前に流行語にもなった「KY」。つまり『空気読め』ということも、本当の意味はあきまで他の人が不快に思うような発言、行動は慎む。適切なときに適切な行動をとるべき。ということであり、同じグループだからリーダーの意見に全員従う、友達だから同じ意見にする、つまり「人に合わせろ」という意味では決してないのである。
 人が集まり考え、意識を少しでもやりとりしていればその空間はいわゆる世間といえると僕は思う。
世間は人と人との関係を説明するときの構成単位として非常に考えやすい。大規模なものでは会社、小さなものではちょっとした立ち話とか。また昔は無かったものではインターネットの掲示板でのやりとり。これも世間の一種だと言える。このように多種多様な世間があるわけだがそれには“人間が他人を意識するフィールドを限定し、それ以外のことを考えなくてよいという利点と共に自分が世間を超えて世間を囲む『社会』に与えている影響については気づかない。”という性質がある。つまり例えれば世間とは内側から外側は見えない膜のようなものではないだろうか。人がその世間から弾かれるのを恐れるのは「見えないものは怖い」からだと考えることもできる。また世間は個人のみに適用すれば実体を伴わないネット上の世間にとらわれ気付けば本当の世間の膜は自分だけを包み外の世界はなにも見えないといういわゆる引きこもりの原因の一つの説明としても考えることが出来る。
 日本人は世間体を気にしやすい。故にとにかく周囲からの印象を良くしようと仕事をする勤勉な性質が戦後の急成長を支えたと言われたりしているが、これが仇となり日本人はプレゼンテーションが苦手だと言われる。まさしくこれは世間という閉鎖的な空間ではなく社会という空間に情報を放つという一歩外に出た行動だからだろう。
 国際的にも重要なコミュニケーションの場では世間的に話を内側に押し込めてしまうのではなく社会をベースとした広がりのある考え方、話をすることは大切だと思う。
 とはいえ日常的なコミュニケーションで世間を設定せずに話すことは厳密には難しいしかえって話しづらいこともあるだろう。それに世間と同時に発生する仲間意識にも多くのメリットは存在する。しかし「何事もしない者だけが失敗もしない」という名言もあるように世間を気にしない姿勢。すなわち世間ではなく社会を自分の影響力の対象にすべきである。そうして自己を一つ上の空間に置くことで自分の眼を曇らせないようにしていきたい。

   講評   yuta

 冷たい空気が身にしみる日もあれば、みょうに暖かい日もある。そんな季節ですね。体調をくずさないように気をつけましょう。
      

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