国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

小学1・2年生   小学3・4年生   小学5・6年生   中学1・2・3年生   高校1・2・3年生

   工学的、生物学的   チョコ

 産業革命以来、機械は人びとの生活を豊かにする打出の小槌の役目を果たすものだと思われて来た。だが最近になって、それだけがすべてではないということが、反省されるようになった。だが新しい生物学は、そうしたあいまいさに対して、一つのよりどころを示す可能性を持つようになった。そして同時に、数量的に割り切れるものだけが科学のすべてではない、ということも教えてくれるようになって来たのである。私は、工学的なものの考え方だけを頼りにするのはどうかと思う。
 一つは、新しいものだけが、いいということではないからだ。私の小学校は、卒業するまで、二分の一の場所が耐震工事で行き来できなかった。また、校庭も半分が、使えなかった。小学校生活がもうすぐで終わろうとしているというのに、外で思い切り遊べないなんて。皆も大ブーイングである。鬼ごっこも出来ない、氷鬼も出来ない、すっ転ぶことも出来ない。最後だから皆で楽しく過ごすのではないのか。先生方を恨んだこともあった。何で私達だけこんなに悲しい気持ちで卒業しなければならないのか。工事が終わったのは、卒業式の二週間前くらいであった。けれども、私は外で遊ぼうとはしなかった。あそこに大きい、のっぽの木があったのに平らな地面に変わっている、泥で汚れた手を洗うのに使っていた古い水道が新しくなっている。教室の窓から見た景色が前と全然違う。こんなところで遊びたくない。先生方は、私達、平成二十年度卒業生がどれだけ残念に思ったかを知っているくせにまた今年に工事をするのだという。未来の為、子供たちの為のことだということは分かっている。だが、私達にとってそれは、大切な思い出を汚すものに過ぎないのである。
 もう一つは、生物学的なものがあるから、工学的なものも引き立つからである。新しいマンションや、一軒家のチラシが新聞の中に挟まっているのをよく見る。まだ先は長いのに、つい見てしまうことがある。
「あっ、この家いいなぁ。でも、三千万かぁ・・・・・・ちょっとキツいかな。」
一人で呟く。けれども、私がひかれるのはそこだけではない。周りの景色や、環境も交えて考えている。最近は、「グランドガーデン」なんて洒落た名前の庭がある、マンションを見つけた。そうやって、小さな自然があって、大きな主旨となる、マンションが引き立ってくるのである。
 新しくしていくことは、古いままでいることよりも大切である。けれども、「出来上がった規則をなんとか守ろうとすることよりも、実態に合わせて規則を変えていくことが、真に規則を生かす道である」という言葉があるように、なじみのある今までのものを残しながら、古すぎるものを変えていけば、それで済むことである。だから私は、工学的な考えも、生物化学的な考えも、持っていかなければならないと思う。

   講評   nara

 タワーの話は思い切って削ったのだね。今回の説明にあるように、どちらか一方だけがいいというわけではない。相対するものは、お互いが相手を引き立てる存在であるという考え方は、他のテーマでも使えそう。どちらか一方だけに重きを置くと、その反動が起きる。極端な主張はどこかで歪みを生むものね。
 導入部分の「工学的なものの考え方だけを頼りにするのはどうかと思う。」との整合性を考えると、結びは「工学的なものがあふれている現代において、生物学的な視点を併せ持つことが大切」としてもよさそうだね。

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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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