創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

昨日1875 今日1835 合計49399
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

小学1・2年生   小学3・4年生   小学5・6年生   中学1・2・3年生   高校1・2・3年生

   一度きりの人生   嵐ちゃん

 陸では何十台もの鉄の馬が、きれいに舗装された道を滑るように走る。海では大きい鉄の船が、底が見えないような濁った水の上を泳ぐ。空では二本の羽が生えた鉄の鳥が、かすかにくすみ、どこまでも続く永遠の空の海の上を私達を見守るように泳ぎ、私達を見守るように飛ぶ。これは、私達日本人にとって当たり前の光景であり、当たり前の出来事だ。
私もある人物に会うまではそうだった。だが、その人物に会って、話を聞いた後は物の見方が変わった。日本にある全ての物が存在することのありがたさ・感謝の気持ちが強くなった。私達は物に守られ、物とともに生きている。
 数ヶ月前、私の学校に一人の女性が訪れた。名前までは覚えていないが、チベットのきれいな方だった。その女性は、慣れない日本語で私達に一生懸命話をしてくれた。
「ワタシサァ、ニホンキテビックリシタノヨ。」
「何にぃ?」
とつっこみたくなる自分の気持ちをおさえて続きを聞いた。
「クルマガドコイッテモイッパイハシッテル。ビックリシタワァ。ホントッ。」
当然のことだ。チベットでは車は通っておらず、草原がどこまでも続いている。そして、その草原の上を日本の車のかわりに、馬が何十頭も駆けているのだから。
その女性は何回も、まるで口癖のように
「ニホンハスバラシイ・・・」
と言っていた。
日本に住んでいる私達は、学校に行くことができる。たった何分か歩くだけで、食べ物を買うことができる。夜になれば、街灯が私達の進む道を温かく照らしてくれる。冬になれば、ボタン一つで部屋を温かくすることができる。夏になれば、ボタン一つで部屋を涼しくすることができる。そんな物質的な豊かさである日本だからこそ、私達は今日まで安全に暮らしてこれたのではないか。
 一方、チベットはどうなのだろう。この女性の話によれば、学校に行きたくても学校に行くことができない子供たちが多く、夜になっても進む道を照らしてくれる光もない。温かいお湯もなければ、エアコンもない、のだという。しかし、この国には私達の物質的な豊かさでは持つことのできない素晴らしいかけがえのないものがある。団結力だ。困った時はお互いに手を貸しあう。まるで、この国に住んでいる全ての人が家族であるかのように協力しあう。貧しくても、困難を皆で乗り越えて、皆で喜びをわかちあう。昔話「アリとキリギリス」のアリのように。
心の豊かさであるチベットの人々は、日々苦労して生きているからこそ毎日が充実していて、よりよい人生を送ることができるのではないだろうか。
 このように、物質的な豊かさにも心の豊かさにも良いところがある。しかし、「大切なのは、健康らしい外見ではなく、健康自身である。」という名言があるように、一番大切なことは、お金があるか、ないかではなく、日々感謝しながら生きることで一度しかない自分の人生を楽しむことなのではないだろうか、と私は思う。

   講評   yuta

 冷たい空気が身にしみる日もあれば、みょうに暖かい日もある。そんな季節ですね。体調をくずさないように気をつけましょう。
      

毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘 
 自動採点ソフト「森リン」で上位になった作文を掲載しています。
 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

作文教室受講案内   無料体験学習   作文講師資格 
Online作文教室 言葉の森  「特定商取引に関する法律」に基づく表示」  「プライバシーポリシー」 
お電話によるお問合せは、0120-22-3987(平日9:00-19:30)