国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
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言葉を厳密に たけたけ
科学は記述から始まる。現象を言葉で記述する時に、ある現象とある言葉が厳密に一対一に対応しているならば、だれが現象を記述しても同じ記述になるはずだ。しかし、言葉というものは曖昧で、人によって違う情景を再生させることがある。多くの人は、世界に何らかの実態があって、それに名前を付けている。と思っているが、ソシュールの主張によると、例えば、犬とか猫とかの実態が、あらかじめ世界にあって、それに対して犬とか猫とかの名前を付けている。という訳ではなく、犬とか猫とかの名前を付けることによって、初めて犬とか猫とかの実態があるかのように見えるのだ。日常では、言葉が曖昧であっても別に問題はない。しかし科学は、言葉を厳密に定義できるものにしたいのである。僕は言葉をもっと厳密に使うべきだと思う。
その理由として第一に、曖昧な言葉では誤解を招くことがあるからである。例えば、僕の部活では、試合に行くときにいつも決まった駅の決まった集合場所に集まるのだが、その日は、たまたま集合場所がいつもの駅とは違う駅になっていた。しかし、連絡網では、「明日の練習試合は○○駅の銅像に集合です。」としか言っていなかったため、西口と南口の両方に集まってしまった(どちらにも銅像があったのだ。)、という事があった。これは、きちんと説明していなかったために起こったハプニングであろう。
また、第二の理由としては、厳密な言葉で表現すれば誰にでもわかりやすいからだ。言葉は人によって様々な受け取り方がある。文学などでは、これを利用して、読者に自由な風に想像させる、という事があるが、科学では、そういう曖昧な表現を使ってはいけない。例えば、理科の実験の時に、比喩表現などを用いてみたらどうなるであろうか。「実験の結果、水溶液は太陽のような色になって、それを蒸発させたら、雪みたいな結晶が出てきました。」こういう風に説明されても、皆の頭に同じ情景が広がっていることは絶対と言ってもいいほど皆無であろう。太陽のような色といっても、オレンジや黄色など様々な色があるだろうし、雪だって、粉のようなものや、ふわふわしたものなどといったようなイメージが一人一人の頭の中にあるであろう。データによると、2010年一月現在の携帯電話の加入者数は111,026,600 台になったらしい。こういう、言葉だけが頼りのコミュニケーションではますます言葉を厳密に使う事が必要となってくるのだ。
確かに、曖昧な表現が必要となってくる時もあるであろう。ひとに説明する時などに、曖昧な表現を使わないと不便な時もある。しかし、「全てに効くという薬は、何にも、対して効かない。」という名言があるように、厳密な言い方をするほうが誤解がなく、分かりやすいのである。
講評 kira
たけたけくん、こんにちは。科学の発達によって、正確さを期すものがかなり増えました。スイッチひとつで計算しつくせるのが科学の世界だから、その中間といったあいまいさはありません。けれども私たちが使っている言葉の世界にはまだまだ曖昧さがあるようです。
駅での待ち合わせの失敗談は、だれもが持っているのではないでしょうか。今は携帯電話があるから待ちぼうけも減りますが、昔は永遠に会えないような気がしたものです。
厳密な言葉が求められるようになってきたことでは、じつにいい説明がなされています。文学は読者に自由な想像力を許しますが、科学はそうはいきませんね。インターネットの世界も同じことのようです。
「ひとに説明する時などに、曖昧な表現を使わないと不便な時もある」がちょっとわかりにくいかな。曖昧な表現をあえて使ったのかな。(笑)より多くの人とコミュニケーションするときには、やはり厳密さがルールになりそうですね。
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