低学年から学力の基礎を作る
幼長、小1、小2、小3の基礎学力をひとつの講座で学ぶ。
読書の習慣、国語算数の勉強、暗唱の学習、創造発表の練習をオンラインで。


昨日1875 今日1264 合計48828
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

小学1・2年生   小学3・4年生   小学5・6年生   中学1・2・3年生   高校1・2・3年生

   初めて作った恵方巻き   きんぐ

「・・・・・」
僕は無言のままパクついた。ながーいその恵方巻きは、いつも気楽にしている「食べる」ではなくて、頑張って食べなくていけないものだった。毎年節分を祝うが、恵方巻きを自分で作って食べるというのは、今年が初めてだ。
 恵方巻きの中に入れる具は七福神にちなんで七つの具を用意する。マグロ、穴子、きゅうり、玉子焼き、かんぴょう、でんぷん、これで六つだ。あと、一つだが、具らしい具がなかったのでゴマでゴマかした。細巻きを作る場合と違い、酢飯をのり一枚に広げる。
この時、のりに両はし一センチ五十ミリメートルほどのりしろを残しておく。そしてくずれやすい具から順に奥の方から置き、一気に巻いてのりしろ同士を合わせるようにする。我ながら上手にできた。しかし妹の方は、のりを巻く時、具がくずれてしまって失敗した。もう一回やり直しだ。今度はうまく行った。食べる時にもルールがある。その年の恵方を向き、無言で願い事を思い浮かべ、切らずに一本丸ごと食べる。途中で休けいしてもいい。もちろん「おいしー。」と言ってはだめ。食べ始めると、ものすごくおいしく、おいしさが口にジュワーと広がって、願い事を思い浮かべるどころじゃなかった。妹もくずれそうになったり、具が落ちてしまったりして、食べることに忙しく、願事を思うどころではなかったようだ。初めて僕は太巻きを好きになった。今まではすぐくずれるし、大きいし、味もいまいちだと思っていたが、成長して嗜好が変化したのか、今回は心の底から、太巻きがおいしいと思った。一生の中でいい経験の一つにもなったかもしれない。
 恵方巻きの起源は江戸時代末期、大阪の商人による商売繁盛の祈願事として始まったという説、豊臣秀吉の家臣が、戦争に向かう前、太巻きのようなものを食べ、大勝利をおさめたという説などたくさんあり、まだ不確かだ。大正時代には、大阪の花街というところで、節分の時期に新香巻を恵方に向かって食べる流行があったそうだ。また、戦後、巻き寿司早食い競争」があり、これをマスコミが取り上げたり、キャンペーンが展開されたりした。一時は廃れたが、なんとか徐々に知名度が上がり、今のような形になったと言う。恵方巻きというただのたべものにもこのような歴史があったとはびっくりした。
 人にとって節分とは、気持ちにけじめをつけ、願いごとをする行事である。「富士の山ほど願うて蟻塚ほど叶う」というけれども、願い事をし、それに向かって努力するのは大事だ。たとえ願いが叶わなかったとしても、この努力は決して水の泡ではないかと思う。
だから僕も願い事をしてそれに向かって努力していきたい。叶えられなくてもそれに向かって努力していきたい。そして、次に生かしたい。
 「ふぅー。」僕は恵方巻きを食べてスッキリした気持ちになった。

   講評   onopi

 恵方巻きについてよく調べてあります。自分で作るとおいしさもまた格別です。最後のまとめも上手にできている作文でした。
 

毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘 
 自動採点ソフト「森リン」で上位になった作文を掲載しています。
 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

作文教室受講案内   無料体験学習   作文講師資格 
Online作文教室 言葉の森  「特定商取引に関する法律」に基づく表示」  「プライバシーポリシー」 
お電話によるお問合せは、0120-22-3987(平日9:00-19:30)