低学年から学力の基礎を作る
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
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中学1・2・3年生
高校1・2・3年生
マロン
大相撲をはじめて見にいったとき,館内がざわついているのにびっくりした。演ずる者と見る者に分離された制度に慣れてしまったからである。居ずまいを正して作品に集中するというような聴取の態度は必ずしも自明のものではなく,「芸術の享受」あるいは「作品の鑑賞」という一つの思想をバックボーンとして,制度化されてきた態度にほかならないということである。
コンサートホールで音楽などを聞く時,静かに聞くことは当たり前であり,一つのルールのようになっている。もちろん飲食も禁止である。こうした聴取態度は歴史的に形成された。しかし,これは芸術だけに言えるものではない。学校の授業でも,生徒が静かに先生の難しい講義を聞くよりも,生徒が参加できる楽しい授業のほうがよいのではないだろうか。一方で観客参加の姿勢が悪くなってしまうと,式の最中けんかや携帯電話の使用が目立つ,沖縄の成人式のようになってしまう。つまり,式場やクラスがおしゃべりの場,社交の場となってしまうのだ。
私は常に良い意味での観客の参加を考え,取り入れていきたいと思う。そのためにはどうすればよいのだろうか。
まず,怖気づかず,積極的にやってみることがあげられる。混乱を恐れずに,他の人のことも考えて自分自身が引っ張っていくことが大切である。
私は修学旅行の自主研修のルートを自分で決めたことがある。何ヶ月も前から企画し,どこに行きたいのか,そこにはどういう歴史があるのかを班員で調べ,しおりを作った。交通手段や拝観料もしっかり事前に調べたため,自主研修は成功し,全員で楽しむことができた。大変なことも沢山あるけれど,自分で決めると充実感があり,自身がつくはずである。参加すると混乱を招く可能性もあるが,まずは自分からすすんでやってみることが大切である。
第二に,上に立つ人,リーダーが何でもやりすぎないことがあげられる。自分の道だけを頑固に通しては,反対を唱える人が必ず出てくるだろう。
この冬,私は合唱コンクールでクラスの指揮者になった。練習中はなるべくパートリーダーや伴奏者を中心にみんなの意見を聞くようにしている。合唱やオーケストラなどは自分だけで作り上げるものではない。一人でなく,みんなでまとめるものなのだ。だから上の立場から言えることは多いが,いろいろな立場の人の意見を取り入れるべきだと思う。
そのことは歴史上の出来事にも当てはまる。明治維新が成功したのは,西郷隆盛や坂本竜馬,勝海舟といったそれまでの士農工商などによる武士の権威にとらわれない若者が活躍したからである。彼らははじめ下級武士であったが,心を一つにしたことが成功の鍵であった。このように上の立場に立った人が,謙虚な気持ちで解決にのぞむこともまた大切である。
確かに静聴することも大切だ。結婚式や成人式などは盛り上がることも必要だが,スピーチは皆が静かに聞くべきである。また,クラシック音楽や演劇などで場違いな行動をとることも失礼である。
しかし,これからはもっと観客の参加を考慮に入れるべきではないだろうか。博物館や美術館の展示も,昔はガラスのケースの中に入っているものをただ見ているだけであったが,最近は触ったりできるものもある。私が好きだった江戸東京博物館では,昔のお金を持って重さを知ったり,当時の服を実際に着たりするなど楽しい体験が出来る。「家の批評が出来るのは,建築家ではなくそこに住む人なのである」というように,私はいつか演奏や展示をしたり,何かを作ったりするときには沢山の人が参加できるようにしていきたい。
ディズニーランドのショーやパレードでは,見ている子どもたちに話しかけたり一緒に踊ったりする。そのときのキャラクターやダンサーたちは ”Let’ssing and dance!”と言うだろう。“Let’s”というのは「一緒にやろう」と言う意味だ。私はこの“Let’s”の精神をいつまでも忘れずにいたい。
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