国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   人・物との関わり   PINK

 子供たちの身体の異変は近年いっそう顕著であるが、特異な現象だけでなく、教室における身体の異変は日常的に深く浸透している。現代の子供に見られる問題として、まず他者への無関心と気配りのすれ違いがある。他者への無関心は、大人に対しては根底的な不審の感情となって現れている。また、モノとの出会いの経験も著しく貧困である。モノと出会い物を道具によって操作する体験や文化が欠落している。言葉という道具においても、『文字離れ』『活字離れ』はいまや決定的だ。彼らが喪失しているのは一人称の語りであり、ゴシップが彼らの日常生活を支配しているのだ。我々は、もっと物との接点を増やしていくべきだ。
 そのための方法として第一に、自分の手によって作る、つまり『手作り』の価値を見直すことだ。何でも店へ行ってお金を出せば買える時代になった現代にい生きる私たちは、なにか自分で、あるいは知り合いの人が手作りで作ったものと接する機会も少ないのではないだろうか。最近『家庭菜園』という言葉を聞くようになったが、このようにスーパーで気軽に購入できるハーブなどの野菜を自宅の庭・プランターで育てることで、自然のモノとの触れ合いを体験できる。かつて我々の祖先は、あらゆる道具を使って獲物を捕まえたり、またその仕掛けを作ったりと、自らの力で生きている実感を常に感じられる生活をしていた。もう少し現代に近い例を上げれば、今のように鉛筆を電動鉛筆削り器に突っ込んで尖らせるのではなく、ナイフなどの鋭利な刃物で削っていた頃があったそうだ。ナイフの使い方や力の入れ加減など、人間の感覚を使って理解することが多くあったはずであろうが、機械化されたことによって、便利になった代わりにモノと我々の生活との関わりが薄くなっていったとも考えられる。物を作った人との関係さえも見えづらい今日こそ、手作りの良さを再認識すべきなのだ。
 また第二の方法として、学校教育では受身の授業のみならず、生徒同士が関わりを持てるような授業を展開していくべきだ。同学年の友達と話し合いなどをしていくうちに、一体感や連帯意識も生まれ、他人への無意識も改善されていくのではないのだろうか。教師と生徒の関係にしても、教師が一方的に何か喋って、生徒はそれを聞くか書くかするだけでは信頼どころかコミュニケーションをとる意識も無くなるだろう。江戸時代の寺子屋は、先生を慕う気持ちから多くの生徒が集まってきて、それがやがて『寺小屋』という名の学校となった(歴史実例)。学校は、人対人の環境を有意義に利用して、他者との関わり・出会いの経験を積む場所でなくてはならないのだ。
 確かに、現代の社会では情報を効率よく処理するのも重要だ。だがしかし、そのベースに人や物との関わりがなくてはならない。情報の背後に潜む実体があるからこそ情報に価値がついてくるのだ。人間はたった一人で生きていくものではなく、様々なものと関わっていくことで初めて生きていける。(自作名言)我々は、人や物と接することで生きる実感を感じられる生活をしていくべきだ。

   講評   kira

 PINKさん、こんにちは。すばらしい高得点です。

 物と人との乖離は、科学技術の進歩とともにやってきました。道具は本来、人間らしさを保証するものでした。二足歩行し考える力を持つようになった人間の象徴として道具はあったのです。ところが、その便利さだけが進化するとそれらの物はかえって人間としての力を喪失させるものとなり、やがて関わりを排除するものにさえなりました。
 人間関係の希薄化は食の問題とも深く関わっているようです。何を毎日食べるのか。どのようにして口に入るものなのか。家庭菜園に憧れる気持ちは、じつは人との関わりへの餓えかもしれませんね。
 そして、教育現場でも、ものや人との関わりを取りもどす体験型の授業を増やすべきでしょう。寺子屋や塾のような、学びたい者の集いになるといいですね。
 時代はますます情報化を加速させ、何もしなければ人はいっそう孤立していくでしょう。生きる実感がほしいですね。
★実感を感じるは、言葉の重なりですね。

  

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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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