国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく。

昨日3330 今日1401 合計7297
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

小学1・2年生   小学3・4年生   小学5・6年生   中学1・2・3年生   高校1・2・3年生

   マルチエンディング論   カエル

「生きるべきか死すべきかそれが問題である」(シェイクスピア)
人間というのは、いつでも選択をしながら生きている。それは、今日何を食べようかという日常的なことから始まり生きるべきなのか死ぬべきなのかといった哲学的範囲にまで及ぶ。人間にとって選択は避けては通れない道なのである。
 人は人生を歩んでいくうえでかならず壁にぶつかる。そこでも、選択をしなければならない。その壁を登るのか、それともあきらめて逃げるのか、そういった選択が否応なく突き付けられるのだ。その壁が大きければ大きいほどその選択によって、その人の人生は変化する。その挑戦を生かすも殺すも自分次第なのだが、自らが決めることを拒む人間がいる。自分で決めたことに責任を持ちたくない、もっと自由でいたいなどと嘆く。そういった自ら決断ができず他人に頼ってしまう人のいる社会には問題がある。(社会問題の主題)
その原因として第一に、自ら決断するよりも他人の意見に従っていたほうが楽だからだ。(複数の原因1)私は、現在高校生で入学する際に入学試験という試験を受けた。私は友人と一緒に受けたのだが、その私を含む集団の中で塾に行っていないのは私だけだった。友人になぜ「高い費用を払ってまで塾に行くのだ」と聞いたところ、「自宅では勉強ができないからだ」と言われた。私はそこに違和感があった。(体験実例)自らのための勉強なのに人から決められないと勉強できないというのは、自分の人生を他人に委ねているに他ならない。まるで操り人形だ。最近は有名大学に入ろうと躍起になる人がいて、塾を利用する人も増えてきているという。しかし、それは先程の話から考えるに、自ら決断ができないひとが増えてきているということなのではないだろうか。
そして二つ目の原因として、社会が複雑になり自らが今どういう状態・立場にいるのかわからないからである。(複数の原因2)ゼロ年代の社会問題として、「ニートやフリーター」があった。ニートやフリーターというのは、職業に就きたくても就けない人や、職業に就きたくないためアルバイトなどをして暮らしている人のことを指す。一昔前に「杉村太蔵」という議員がニートやフリーターを集めて意見交換会をしていたが、今現在はそこまで重大な問題として取り上げられてはいない。当時は、世間やメディアが批判していたためフリーターやニートにはなりたくないという気持ちがあったかもしれない。だが、現在は就職氷河期ということもありニートやフリーターにならざるを得ない場合もある。(長文実例)だから、仕事がなくなってしまったからといって、人生を諦めたりしないよう正しい決断ができるように社会が支援していく必要がある。
確かに(反対意見への理解)、自分らしさにこだわりすぎて他者を傷つけてはいけないし、自ら決断せずすべてを他人に頼るのもいけないが、個性や自分らしさがないと決断や選択はできないのだ。(自作名言)人から与えられたものを、うれしいと感じるのもいらないと感じるのも自らの個性があってこそ決断ができる。「生きるべきか死すべきか」のような難しい選択をしなくても、今日何を食べるかといった小さな選択をすることがその人の個性となる。現代において必要なのは個性につながる選択なのだろう。

   講評   mae

 「人生は自分自身が操縦し、創造していかなければならない」ということは大前提のはずですが、社会要因・政治要因その他いろいろな要因により、他人任せの人生となる……、「個」がなくなることの怖さを私たちは理解しなくてはなりません。
 「マルチエンディング論」という題名をもっと生かした方がいいですね。それぞれが、それぞれの選択をすることで、違った人生を送り、それぞれのエンディングを手に入れる……(それぞれを多用してしまいましたが)、それが所謂「マルチエンディング」。まとめ部分に、「マルチエンディングであること素晴らしさ」を論じてみるのはどうでしょう。
 実例は、さすがですね。与えられた空間と、教材とがなければ勉強できないというのは、象徴的。まさに他者に頼り切っている若者の弱さを感じさせました。三段落の、ニートの例もおもしろかったですね。
☆反対意見への理解の部分「確かに、自分らしさにこだわりすぎて他者を傷つけてはいけないし、自ら決断せずすべてを他人に頼るのもいけないが」……後半部分がちょっとおかしいよね。「他人任せの人生はいけない」という主題に対しての反対意見への理解なのだから、「全てを独断で決めてしまうことの危険性」を述べた方がいいのでは?
☆3.4週は、「私の記念日」というテーマで、言葉の森の作文コンクールに応募してみませんか? 字数は1200字以上(いつもと一緒)で、「記念日」というテーマで作文を自由に書いてもらえればいいと思います。考えておいてねー。

毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘 
 自動採点ソフト「森リン」で上位になった作文を掲載しています。
 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

作文教室受講案内   無料体験学習   作文講師資格 
Online作文教室 言葉の森  「特定商取引に関する法律」に基づく表示」  「プライバシーポリシー」 
お電話によるお問合せは、0120-22-3987(平日9:00-19:30)