国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   自分を広げたその先に   くま王子

 香港のような国際貿易都市で活きている人間は、過大なまでに自己PRをする。だが日本人は「謙譲の美徳」と言って、何事も自分を卑下する所から始める。それは正当な自己評価にはならない。人は自分の立場を確保するために他人を型にはめたがり、その創られたからからはみ出て「打たれる杭」にならないよう、自分自身は「謙譲の美徳」を利用する。日本には、個人の秘めたる所を出来るだけ伸ばさないようにする基盤があるのだ。私は、日本人はもっと自己アピールをしていくべきだと思う。
 そう思う一つ目の理由は、自分をアピールしないと相手に自分のことをわかってもらえないからだ。自己PRの機会を失えば、その失ったままの姿で「自分」が相手にインプットされてしまう。本当は自分がやりたかった仕事も自信を持っている所も、相手に伝わらずに、その気持ちが消化不良のままで終わってしまう。その時の残念な気持ちは大きいものであるし、相手は自分の良い所が理解できないので社会的に下の者として見なされてしまう。また、たとえばある目的があったとして、その為の努力の成果を見せつけるべき時が来たときに、相手が自分のことをきちんと理解していないと、その努力の成果が伝わりにくく、認めてもらえない。まずは初めに自分を相手にアピールしておかないと、その後もどんどん人に認められる機会が無くなるのである。
 もう一つの理由は、自分を過大評価する事によって、より高みへ自分を追い込む事が出来るからである。最初に自分を低い所に位置づけて、だんだん評価があがっていく方が楽かもしれないが、それでは「やめたい」と思った所で自分はやめてしまえる。だが高い位置に自分を設定すれば、たとえ無理でも進歩せざるを得ない。日本人には進歩が足りないと言われる。データによると、三十代では、仕事の目的を収入と答えた人の割合が75パーセントとなっている。もっと自分をアピールすれば、人に認められて仕事が生きがいにつながる。そしてまた向上しよう、と努力するのである。
 確かに、謙虚さを失ってはいけない。謙虚でない人間というものはそれだけで見苦しいものだ。押す姿勢ばかりだと、自分の欠点さえもアピールする事になる。それは自分にとっても相手にとってもマイナスだ。
 だが、「短所をなくすいちばん良い方法は、今ある長所を伸ばすことである」という名言がある様に、やはり自分の良い面はどんどんアピールするべきだ。そして、自分を認めてもらった時には相手の事も認めてあげなければならない。きちんと相手の自己PRを見つめれば、相手がその面において自分より優れていても劣っていても、何かしらの進歩につながる。「見ようとしない」事が一番自分の世界を狭める事なのだ。自己PRをしなければ認められる事は無い。十代の私たちは、世界を削っていくよりも広げていくことをするべきである。恥もプライドも経験も、たいした物は持っていないはずだ。それなのに失くす事を怖がる。失敗を恐れずに一歩踏み出したそこに、新しく手に入る物が待っていることも知らずに。他人に自分を刻みつけろ。世界に自分を刻みつけろ。それが生きている人間と言えるのだと私は考える。

   講評   inoko




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