創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   接点と拒絶   いさせ

「中学校と高校なると、アパシー(無気力と無感動)が教室を支配している。無表情で沈黙した生徒が教室に置物のように座っている。
これら得意な現象だけでなく、教室における身体の異変は、もっと日常的に深く浸透している。まず他者への無関心がある。例えば一人の子供が『先生消しゴム』を連発するだけで、隣の子供に『ねぇ、ちょっと消しゴム貸して』と言って借りる子供は稀である。そしてほとんどの子が他人事として聞き流しているし、よくて『先生この子消しゴム無いって言ってるよ』なのである」
 人間はこの人間社会で生きる上で、どうしたって他者と接点を持つ必要がある。むしろ接点は勝手にできるものだ。だから他者への無関とは、人と関わりを持つことに関心が無い、というり、人と関わりを持つことを避けている、といったほうが正しいだろう。
 でではなぜ避けるのだろうか。恐らくそれはできるだけ他人と接点を持たないほうが楽だと思うからではないだろうか。他人と接点を持つことは面倒くさい、故に自分の世界に入っていたほうが楽、他人に興味を示さない人々は、そういう考えなのだろう。だが問題なのは、それでも世の中渡っていける、ということにある。
 しかし、ならいいじゃん、と言われてしまうと答えに詰まってしまう。そもそもなぜ他人と接点を持つべきなのだろうか。
 それは、ただ単純に、寂しいから、だろう。適当に言っているのではない。社会的に自分の利益しか見ていない利己的な人間しかいない
なんて事態は悲しいし、何より道徳的に、人間の温かみに欠けているという点でも寂しい。そもそも人間の文化がここまで発展できたのは、こういった人間独自の、(例えば思いやり、愛など)深い感情があったからのはずだ。複雑すぎる人間関係や自身の感情に四苦八苦するからこそ優しさや思いやりを学べるのであって、そうやって人間は精神的に成長するのだ。それを避け、拒絶することは、自らの人間としての成長を妨害することになるだけだ。何よりも自分のために、人は他者に関心を持つべきだ。
 だが関心を持て、と言われても、はい持ちます、とは通常言えないだろう。関心なんて故人の好き嫌いや興味のありきで左右される事だし、増してや他者、つまり人間に関することだ。関心を持てと言われて持たれた側も気持ち悪いだろう。だが大切なのは、他者との接点を持つことに対して避けずに正面から見るという気構えなのだ。故に一つ目の方法として、他人のことを精神的な意味で正面から見ることだ。避けたり、拒絶する理由は面倒くさいからだった。それだけでもかなりの進歩といえるだろう。
 二つ目の方法は、積極的に、他人のこと知る努力をすることだ。興味が無いことや知らないことが無関心に繋がるのならば、知ってしまえば良いという訳だ。当然、楽ではないが、他者の価値観を知るということが最も手っ取り早いはずだ。
 誰だって存在しているだけで誰かに助けられていて、だれかを助けている。それが人間社会のあるべき姿のはずだ。もしかすると人が他人との接点を持たなければいけないのも、それを避ける人がいることも、他人との接点がそのまま=自分自身の存在価値となっているからなのかもしれない。        

   講評   nara

 1年間、いい作品が揃って、力がついたことが実感できる年だったね。毎回、届いた封筒を開封して読むのが楽しみだったよ! 来年度は学校の授業もより進路に合わせたものとなって、大変になりそうだけれど、その中で作文(文章を読んで書く)がいい意味での頭のリフレッシュになるといいね。更なる飛躍を期待しているよ!

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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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