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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   満足する生活のために   ショウ

 人類は、かつて狩猟採集時代を経験し、今また消費遺棄時代を迎えようとしている。つまり、生活の主たる様態を、拾うことから捨てることへ、大きく転換させつつあるのだ。「もったい」という言葉は、それがつくとむしょうに捨てたくなる言葉だ。これをものに自由につけたり離したりできれば、自由に捨てさせたり拾わせたりすることができる。人類は、大量生産時代を迎え、同時に大量に消費されなければならなくなった。そのために、専門家たちは、包装紙にもったいをつけた。かくて、流通経済は円滑に機能し、生活は潤い、われわれは満足している。「捨てるために手に入れる」という、生物学的には希有の成功を身に漬け、「消費を上回る生産」という、ありえべからざる事態を楽々とこなしているのだ。
 モノを大切に扱うことは、大事だ。小学六年生の時、僕は海外に住んでいた。修学旅行で昔小さな城(要塞)だったという立派なホテルに泊まった。ホテルとして改装工事をしたのが数年前、と聞いていたため、モダンできれいな部屋だろう、と想像していたが、行ってみると、昔のままのベッド、カーテンが使用されていた。僕の部屋は地位の高い人が使用していた部屋だったようで、ベッドの周りにレースがついている、というとても豪華なものだった。カーテンもとても重く、机なども傷ついていて、歴史を感じた。ポーランド人の発想は、傷ついていると、苦情を言うのではなく、むしろ最新設備よりも趣があって良い、というのだ。モノを大切にするポーランド人の象徴的な考え方だと思う。
 しかし、経済を発展させるためには、古いモノを捨てて新しいモノに置き換えることも必要だ。ホテルの話で行くと、地方のホテルは古いもののほうが良い、という考え方もあるかもしれないが、首都などの大都市のホテルの多くは最新設備になっている。首都は、世界中から様々な国籍の人が集まるのだから、全ての人に満足してもらうためにそうなるのは、仕方のないことだろう。また、昔話に、「わらしべ長者」という話がある。ある一人の貧乏人が旅に出るとき、観音様に最初に触ったものを大事にしろ、と言われそれがわらしべだったため、それを持って歩くと、アブが止まり、結びつけた。すると、ミカンと交換してくれ、と子供が言ってきたので仕方なく交換してやると、のどが渇いたおじいさんに布と交換してくれ、と言われたので交換した。さらに歩くと、動けなくなった馬の処分に困っていた侍の家来に馬と布を交換してくれ、と言い、交換してもらった。水を与えると、動けるようになったため、それに乗っていくと、屋敷の主人に留守番を頼まれ、三年たっても戻ってこなければ、この屋敷を与える、と言われたため、待つと、三年たっても五年たっても戻ってこなかったため、屋敷を手に入れ、裕福になった、という話だ。この貧乏人は、持っていたものにこだわらず、新しいものに交換していったため、裕福になれたのだと思う。
 確かに、モノを大切にすることも、経済発展のためにモノを新しくすることもどちらも大切だ。しかし、最も大切なことは、「自分の心のうちに持っていないものは何一つ自分の財産ではない」という名言があるように、心豊かに自分の満足する生活を送ることだと思う。

   講評   kei

いよいよ3年生。春休みは1年間の片付けと新学年の準備であまりのんびりはできませんが、たまには「春」を見つけてのんびり過ごしましょうね。


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