創造と発表の新しい学力
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
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小学5・6年生
中学1・2・3年生
高校1・2・3年生
現在「子供」の問題が おとめ
現在「子ども」の問題がたいへん捉えにくく、なにかと不気味なのは、一つには、社会のなかで子供についての或る一定の共通了解事項が成り立たなくなったからである。と同時に「子供」の問題というのはふつうの問題のように対象化し分析的に捉えていったところであまり意味をなさないからであろう。長い間、知識とは無知あるいは白紙に付け加えられ、積み重ねられたものであり、したがって、より多く知ることがより真理に近づくことだと考えられていた。ところが真実は必ずしもそうとばかりはならずに、ものを多く知ること、多くの知識をもつことによって、かえって私たちの一人一人は在るがままにものを見ることができなっくなるという事態が生ずるようになった。問題のある子供がいた場合、専門家は専門的な知識によって、「それは学習障害です」とか「それは自閉症です」などとレッテルをはって済ませてしまいがちです。しかし、肝心の子供を救うのは、そういう専門家の知識ではなく、生身の人間の接触であることが多いものだ。人間の触れ合いよりも、専門的な知識を過大評価する社会に問題がある。
その原因は第一に、専門が細分化されすぎたためだ。小学校までは、理科と社会という二つの教科だったものが、高校生になると同じ理科でも、物理、化学、生物と別れてしまった。理科だけでなく社会や数学や英語なども分かれている。
またもう一つの原因は、権威肩書きを重んじる日本の社会の伝統だ。肩書がとても良いからといって必ずしも良いとは限らない。学校でも、ベテランで知識や経験の豊富な先生の授業だとかえってわかりにくい、ということがある。
人間は、知識によって救われるのではなくて、同じ人間どうしの共感によって救われるのだ。
講評 kamo
頑張ってまた新作に取り組んでくれたね。今学期の書き方も、もうすっかりできています。さすがだね。
<構成>
要約が長かったけれど、社会問題の主題とその複数の原因はしっかり書けました。その組み立てはOK。
<題材>
自分自身の体験実例が一つあるとよかったね。
<表現>
自作名言(の形^^;)はよくできました。この調子で、本当の自作ができるとすばらしいね。
<主題>
結びには、反対理解とはっきりした主題の繰り返しがある方がベターです。形の練習というところもあるので、多少しつこいぐらいに書いてもいいからね。
毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘
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しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。
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