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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   里山を歩いているとを読んで   クローバー

 里山は、美しい景観だが、村のあちこちに立てられた看板が目ざわりだ。里山をきれいに維持している村の人びとにとって、ハイカーのマナーの悪さは目にあまるのだろう。いま、美しく維持されている里山は、必要なてまひまをすべて里山の人びとの善意に負っている。だから、里山を私有財産という枠組みのなかだけで考えていたのでは守れないと思う。都市に暮らす人びとが、大切な里山を維持してもらえるように山里の人々に対して相応の負担をするべきだ。緑のコリドーを都市につなげ、生け垣や高垣などを増やし、しげみをつくり、緑の島になっている都市の公園の植え込みとつなげる。そうすれば、緑のコリドーを伝わって、里山の動物が都市の公園にまで姿を見せてくれるようになる。こうなるために都市の自然をもっと整備し、野生動物との本当のつきあい方を私たちが知ることが大切だ。
 私は、去年の夏休みに、家族で広山口県の秋芳洞に行った。中に入ると、しばらく階段があって、ずいぶん下に来た気がした。そこはひんやりしていて、とても静かで、すごく神秘的だった。しずくが垂れてきそうな、つららに似たような、すごく不思議な角がたくさんたれていただけでなく、百枚皿など、どうしたらこんなにおもしろい見たことのないようなものが作れるのだろう、というようなものもあり、すごく感動した。自然の力はすばらしい。人間には絶対できないだろうというようなことまで全部やってみせるから、人間の唯一勝てないものは自然かもしれない、と思った。
 私は絶滅の危機にさらされているイリオモテヤマネコについて調べてみた。イリオモテヤマネコは絶滅危惧種IB類に指定されている。彼らは、西表島に生息しており、夜行性で、泳いだり、潜水したりすることができ、鳥類、クマネズミなどを食べるが、その中でも鳥類は大事な食物である。また、彼らは普段は一定の地域に定住して狩をしながら生活する。彼らの生息地は西表島全域に散らばっているが、冬の繁殖期には島の周辺の山ろく部に集まってくる。彼らの平均寿命は7・8歳と推測され、繁殖のチャンスは5・6回しかない。イリオモテヤマネコの死亡原因は、交通事故・イノシシのために仕掛けたわなによる死亡が多い。それで、保護地区を作っても、イリオモテヤマネコは西表島全域に生息し、また、西表島は狭いため、保護地区だけでは守りきれない可能性が高い。また、イリオモテヤマネコだけを守る条例では、彼らだけが保護され、他の動物は保護されず、結果として彼らの生態系を破壊することになる可能性が高い。そのため、一番よいのはナショナル・トラスト運動だそうだ。私は社会の時間にナショナル・トラスト運動について学んだが、結局自然を増やすことが、一番よいようだ。
 人間にとって自然は宝であり命である。自然の力なしには、どんな頭のよい人間も、どんなに賢い人間も、どんなに進化した新しい人間も生きていけないと思う。そして、しぜんの力は、パソコンをどんなにいじくっても、何をしても動かすことのできない大おおきなものだ。今までも、これからも、ずっと人間は、自然のお世話になるのだから、人間も、自然を大切にし、生き物を大切にしなければいけない。

   講評   hoemi

《構成》 長文が何を言おうとしているかをしっかりまとめることができました。とても読みやすく分かりやすかったです。
《題材》 秋芳洞の鍾乳洞は圧巻だよね。人間は何をもってしても自然にはかないっこないと思ったクローバーさんの気持ちがよく分かるよ。イリオモテヤマネコについても詳しく調べることができたね。イリオモテヤマネコのように絶滅の危機に瀕している動植物が数え切れないほどいるというのは悲劇的な状況だよね。この深刻な状況を打開することが唯一の救いの道だよね。
《表現》 神秘的な鍾乳洞を「まるでしずくが垂れてきそうな、つららに似たような」とたとえることができましたね。あの自然の造形美には目と心を奪われますね。
《主題》 「人間にとって自然とは宝であり命である」。とても心に響く言葉ですね。自然なくしては人間は生きていくことができないことを知りながら、なおも乱開発をしていることは嘆くべき現実ですね。一人一人が小さいながらも自然を守るために身近なことから始めれば「ちりも積もれば山となる」で、大きな力となりますね。

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