国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   心の価値   闇の女帝

世の中で生きていくのには不可欠なものがお金であるが、世の中にはお金に換えることのできないものある。私は、お金は大事であると思うが、物の価値を決める物差しをお金で決めるのは良くないと思う。全ての物をお金で評価するということは、逆にいえば、値段でその物を侮辱できることでもある。私は、お金で買えない価値・お金で決められない価値を大切にしている。
 私が大事にしているのは、小学校低学年向けのブレスネットである。これは、小1の時学校祭に行ったときのこと。そこで輪投げをしたのだが1点も入らずに終わってしまった。その時、先輩があんまりにも可哀想だということで、このブレスネットをくださったのである。このブレスネットは円でいえば200円にも満たないだろう。しかし、当時の私心の通貨ではこれは100万円の価値があったのである。それから、このブレスネットは私の宝箱の中で眠っていたが、中学生になるにあたり宝箱を整理した時、5年ぶりに再開した。宝箱をあけて、目にとびこんできたのは例のブレスネット。でもエメラルドグリーンのビーズの輝きは少し褪せていて、埃がついていた。私は当時の様子をありありと思い出して思わず「わあ」と歓声をあげてしまった。早速埃をふうと吹き飛ばして、はめてみた。あまりにも小さすぎてそれは収まるべきところには収まらず、指の付け根までしかいかなかった。全然使い物にならないのに、私はなぜか捨てる気にはなれなかった。このブレスネットは、先輩の心づくしがいっぱい詰まっていて、ブランド物のかわいいブレスネットよりもはるかに価値があると思ってからである。私は、そのブレスネットを机の上に置き、頬杖をついてながめてみた。エメラルドグリーンの褪せた輝きの向こうに、あの先輩の顔がふっと浮かんだ気がして、思わず涙がほろりと頬をつたった。こんな風に、高いものが必ずしもよいものであるとは限らない、その人のためを思って作られたものが価値の高いものであるということが分かる。
 世の中はお金で買えない物のほうが多いと思う。お金というのは私たちの日常生活に深く関わっている。でも自分という存在はお金は関係ない。誠実さ、笑顔、愛らしさ。心の価値で、自分の存在は成り立っているのではないだろうか。
 お金は欠かせないもの、けれどお金の価値よりも大事なものがあると思う。

   講評   inoko

 闇の女帝さん、こんにちは。
貨幣経済の社会では、お金に換算するのが当たり前。金額が提示されていればわかりやすい。しかし、世の中にはお金に換算できないものもたくさんある。人の心、気持ち。あるものに愛着がわけば、そのものには付加価値がつき、何物にもかえがたいものになる。女帝さんは、これを心の通貨という言葉を使って表している。これはなかなか。おそらく誰もが自分だけに当てはまる心の通貨を持っているのだろう。何でもお金で換算しようとする人間もときにはいるが、それは人間としてはやはり悲しいとは思わざるを得ない。なぜなら、彼らには心の通貨がないのだから。お金に換算できないものを持っていてこその人間なのである。



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