低学年から学力の基礎を作る
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
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わかめスープ れんこ
桜が散り始めのある日、花びらを見ていてこの花びらが地面に達するまでの間の状態を表す言葉がないことに気が付いた。からまつを見ていた時も同じような事に気付き、自然を言い表す言葉は無いのかと思った。そのような事を言い表す言葉がないのならば、日本語の語彙の貧弱を意味する。
前こんなことがあった。学校で仲の良い友達と話していたときのこと。嫌いな食べ物の話をしていた。私はこの間食べた学校給食の「わかめスープ」について文句を言っていた。
わかめスープが嫌いな理由は三つ。一つは、わかめが切られていなくて、一枚、一枚入っていること。一つは、わかめが溶けてまるで液体糊みたいになっていること。一つは、苦手なコーンが入っていること。このように丁寧に整理してから言えばよかったのだが、その時私は、
「でっかくて、べろべろしていて、どろどろで、甘くて、ぷちぷちしてるからわかめスープきらいなんだよ。」
とわけの分からないことをいっていた。友達もわけがわからなくなってしまったらしく、ぼんやりしながら、
「音が多かったからよく分かんなかったけどめかぶスープが嫌いなんだね。」
私が嫌いなのは、めかぶスープではない。わかめスープだ。
擬態語が多かったので伝わりにくかったらしい。大事なのは、要点。それに雰囲気をだす擬態語をいれて話すとすこしでも伝わるかもしれない。
人間にとって言葉とは必要不可欠なものだが、それを使いこなすことは難しい。とても便利で素晴らしいもの。にならないことも少なくない。
講評 ninihu
☆構成 要約はコンパクトにまとめられていていいですね。冒頭を一字下げることと、三文目の「〜日本語の貧弱を〜」は、「日本語の貧弱が意味される」とした方が、主述の関係がわかりやすくていいと思います。
☆題材 おもしろいエピソードを選びました。「べろべろしていて、どろどろで〜」というような説明は、親しい人にはしてしまいがちですよね(笑)。でも、これでは伝わらないでしょうね。私の場合、親しさの度合いが増せば増すほど、きちんと説明をせずに相手の理解に甘えたいいかげんな話し方になってしまいます。最終的には「あれをあれしてああなって」となり、ついにはあきれられてしまいます。主題とは離れますが、言葉を使いこなすことが難しいのは確かですが、それをふまえつつ、相手にわかってもらおうとする言葉の上での努力は必要ですよね。
☆表現 「まるで液体糊」のようなわかめ。とてもよく伝わります。歯ごたえのあるものが好きな人にとっては、あれはとうてい許される食べ物ではありません(笑)。
☆主題 最後のまとめですが、内容は悪くないです。最後の二文では、否定形を続けすぎない方がわかりやすいでしょう。
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