低学年から学力の基礎を作る
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
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飽きさせないために あほーどり
人間の体は解剖学的構造を持っていると同時に、それまでの自分の歴史や文化を沈殿、内蔵させている。
人は練習することでその身に蓄積してゆくが、繰り返すばかりでは反復になり、惰性的になってしまう。
人間はそもそも飽きやすいもので、惰性的であり続けることすらできない。だが、逆に言えばそれは袋小路を打開する創造性であるとも言える。
将来、若者たちの離職率が高まってゆくという問題が生じるだろう。原因として、現代の多様化しすぎた職種に若者がついてゆけないことが挙げられる。人間の元来飽きやすい性質が、職が多様ですぐに転職しやすい現状とあいまって、その職を詳しく知る前に離職、転職を促してしまうだろう。
対策としては、社会が若者に職業について詳しく教えることである。職業というものは単純作業をするものではない。飽きの来ないその職業ならではの楽しさを教えることで離職を防ぎ、さらにはモチベーションを高めることにもつながるのではないか。重要なのは若者たちに続けることを強制するのではなく、自主的に続けるようにするという点である。
確かに何かひとつのことを飽きずに続けることは難しい。しかし、すべてを中途半端にするのではなく、何かひとつでもやり遂げることのほうが大切なのである。
社会を担うべき人間たちがフラフラしていては決して社会は安定しない。彼らのためにも、また未来の子供たちのためにも仕事の楽しさを教えることが必要である。
講評 mako
具体的な主題で書くことができましたね。「職が多様ですぐに転職しやすい現状とあいまって、その職を詳しく知る前に離職、転職を促してしまうだろう。」というのは、あほーどりさんの実感でしょうか。今は不景気で就職難と言われていますが、それでも新人が育たないという話を聞くことがありますから、将来若者の離職が問題になるかもしれませんね。
社会は若者に職業について詳しく教えていないと感じている点も興味深かったです。体験就職のようなことができる学校や職場も出てきているそうですが、あらかじめ知っておきたいという希望者が多いのね。
働くということは、自分で食べていくこと、自立への第一歩だと思います。自立そのものが「やりがい」や「生きがい」を感じさせるものではなくなってきていることがちょっと残念です。確かに食べていけるなら何をしてもいいという人は、よほどの事情がない限りいないでしょう。もちろん何をするかは大事なことだと思っています。
ただ、どんな人にもどこにどんな可能性があるかわかりません。忍耐強く続けることも、また未知の世界に挑戦することも、自由にできる社会はいいなと思います。何よりコワイのは、働かない人が増えることだよね……。
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