創造と発表の新しい学力
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
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のびずきのスーパー父ちゃん キノコ
「よーし、いくぞー」
と父が僕と兄と母の顔を見た。今年の春休み、家族で栃木県へキャンプに行った。父が車をキャンプ場までずっと運転してくれた。父は
「ダッチオーブンも買ったことだし、タンシチュー、がんばって作るぞ」
と、とてもはりきっていた。早く食べたいなぁと思った。時間が経つと、父が
「つかれたー、腰がいてー」
と、大きく息をはいた。それもそのはずだ。一時間も二時間もハンドルをにぎり続けてつかれない人の方がおかしい。僕は、心の中で、「がんばれー」と応援した。そして、十分ほど経って、サービスエリアが姿を現した。父はサービスエリアの方へ、車を動かした。運転席からおりた父は、気持良さそうに、思いっきりのびをしていた。父は、僕たちのために、運転してくれているのである。
そして、けっこう時間が経ち、ようやくキャンプ場に着いた。父は、またのびをしている。父を見た兄もする。その二人を見ていた僕は、そんなに気持いいのか、と思い、二人のように思いっきりのびをした。とっても気持ち良くて、二回もやってしまった。次に、父が、
「よし、じゃあタンシチューを作るぞ」
と笑いながらダッチオーブンを出した。その時、母は、
「お父さんはねー、にこにこしながら、楽しみにダッチオーブンを買ったんだよ」
と小声で教えてくれた。父は、この時を楽しみにしていたのだろう。僕は、野菜の皮をむいた。たまねぎの皮をむいたのが一番楽しかった。なぜなら、皮をむくごとに、「ペラピリーン、ピリパリッ」と音がするからだ。となりで野菜を切っている母を見てみた。僕はそのしゅん間、口を「ぽっかーん」とあけてしまった。それは、母がまるで工場の機械のように、すばやく次々と野菜を切っているからだ。さすが母だ、すごいなぁと思い、父を見たら、真剣にタンシチューを作っている。その父は、まるでコックさんのようだった。僕はタンが好きなので、待ちきれず父に、
「まだぁー、もう食べようよ」
と、よだれが出そうになって言った。
「もう少し待った方がうまくなるぞ」
と答えたので、僕は待つことにした。二十分後くらいに、やっと、タンシチューができた。父はにこにこしながらダッチオーブンのふたを開いた。僕は、つばを飲んだ。なぜなら、おいしくできているかが心配だったからだ。湯気が去り、タンシチューが見えた。僕はそのしゅん間、目を大きく開いた。それはそれは、本当に父が作ったのかと思うくらい、とてもおいしそうにできていたからだ。父が
、
「おおー、うまそー」
とさけんだ。母も
「わー、これは、絶対においしいよー」
と笑顔になった。兄はもうテーブルに着いている。僕も、おいしくないわけがないと思い、テーブルに着いた。そして、一口食べてみた。予想通り、目玉が飛び出るほどおいしい。あまりのうまさに、兄よりたくさん食べた。父に、料理の才能があることにびっくりした。
おととしの夏休み、新潟へ行った。その時も父が運転した。サービスエリアに着いた時、やはり、父はのびをしていた。そして、父はキャッチボールをしてくれた。とてもコントロールが良くて、スピードも速いボールにびっくりした。
父はのびをたくさんして、スーパーマンのようになんでもできる。キャッチボールも上手にできるので、僕も将来、父のようなお父さんになりたいと心の中で思っている。
講評 kiri
毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘
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しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。
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