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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   そこをなんとか   アレックス

 そこをなんとか
                      アレックス
 「そこをなんとか」と言う言い方は、きわめてあいまいである。じっさい、「そこをなんとか」と言う表現の中には、日本人のものの考え方が、じつによくあらわれている。その考え方とは、全ては完全ではない、ということだ。そこでたのむほうも、たのまれるほうも、いくばかの部分が必ず保留されていることを前提に話し合う。
 私も、あいまいな表現を使ったことがある。例えば、こんなことだ。友達が、休み時間に鬼ごっこをして遊んでいた。私は、「いっしょに遊ぼう。」と誘われた。私は、あそびたかったけれど、鬼ごっこをしていた人たちの中に、前の日けんかをしてしまった人がいるので、つい
「ビミョー。」
と言う言葉が口から出てしまった。後で、もっと正直に断れば良かったと思った。なぜかというと、誘ってくれた人がイヤだったわけではないからだ。せっかくさそったのに、ビミョーと言われて、きっと彼女はイヤな思いをしたと思う。欧米の人なら何と言っただろう。きっと自分の気持ちを隠さず正直に、
「今は、○○ちゃんとけんかしているから、遊べないの。あなたと遊びたくないわけじゃないのよ。ごめんね。」
と言っただろうか。正直に言うとよりお互いの気持ちが分かって気持ちのすれ違いが無くなると思う。
父や母にも、あいまいに受け答えしたり、されたりした経験があるか聞いてみた。母は、訪問販売やセールスの電話など、はっきり答えたくないときや、やんわり断りたい時は、「まあ、そうですね。」とか「間に合っています。」などを使うと便利だそうだ。私だったら、「いりません!」とはっきり言うと思う。母に、どうしてそういう表現を使うか聞いてみた。しつこくて頭に来ることもあるらしいが、あまり強く断って、逆恨みされても困るから、母は、やんわり断るそうだ。
父は、ラーメン屋さんに入った時、テーブルのこしょうが空だったので、
「すみません。こしょう下さい。」
と言った。店員さんは、
「少々お待ち下さい。」
でも、店は昼時で混んでいて、コショウはなかなか来ない。
「コショウまだですか。」
「少々お待ちを。」
こんな感じの会話が数回続いたそうだ。でもなかなか来ない。ラーメンは、のびてしまうので、仕方なく食べていた。、父は、コショウが少々ほしかっただけなのに、何をそんなに手間取っているのだろう。昼休みが終わってしまう。と思ったに違いない。そして、
「少々とは、どれだけ待てばよいのか?」
と思ったそうだ。結局、コショウが来たのは、ラーメンが食べ終わるころだった。
 私は、自分や家族の体験を通して正直に言った方が、お互いの気持ちが良く伝わり、すれ違いが少ないという良い面があると思った。だが、あまりはっきり言い過ぎると、相手を怒らせたり、傷つけたりしてしまうこともあるので、あいまいな表現も時には、必要だと分かった。特に日本人同士では、相手のためを思って「まあ、まあ。」などを使うことで、やさしい印象になるが、外国人の人は、逆に、「この人、話聞いてるの?」と怒ってしまうことも分かった。、話す側としては、聞いている人の反応がないと聞いているのかと不安になるので、私は、反応を返した方が、会話はうまくいくと思う。この長文を読んで、改めて外国と日本の考え方の違いが分かった。しかし、どちらが、良い悪いではなく、時と場合によって、また相手によって、正直に言うかあいまいに言うかバランスをとることが大切だと思った。

   講評   mae

 すごくいい清書になりました。読み応えがあったよ! がんばりました!


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