国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
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あいまいな言葉 星のカービィ
「そこをなんとか」という言い方はきわめてあいまいである。じっさい、「そこをなんとか」という表現の中には、日本人のものの考え方が、じつによく表れている。その考え方とは、すべては完全ではない、ということだ。日本の絵画の特質に「余白」の美というのがある。それに対してイスラムの芸術は、まったく逆で、空白への恐怖とも思えるほど、びっしりと空間をうめつくす。日本人は、きめつけを好まず、いつも融通無碍な可能性を残しておこう、とつとめるからだ。
似た話が2つあって、1つは、東京と盛岡はずいぶんと意見がちがう、ということだ。それは、東京ではずばっといってもきらわれない。だけど、盛岡では、ずばっと正しいことを言うと、きらわれてしまう。じっさいに、授業でだれかが発言して、ぼくが、
「それはちがうと思います。どうしてかというと○○○だからです。(○○○の部分は忘れた。)」
と言ったら、ボソッとよく聞こえない声で文句を言われて、ぼくが言ったことが合っていると、相手は、
「△△ちゃん、かわいそ〜。」
とまるで悪いことをしたあとのように言い、
「あいつ、KYなんだけど〜。」
とも言われる。合っているんなら、ほめてくれよ〜、と思う。
もうひとつの似た話は、母の話。母は、父をごかいしていた。母は、僕が小さいころ、たきこみごはんをよくつくっていた。母が、
「今日たきこみごはんでいい?」
と父に聞くと、
「別にいいよ。」
と言っていたので、よくつくっていたのだそうだ。しかし、ある時、たきこみごはんは好きなのに、なぜ豆ごはんはきらいなのかと聞くと、父は、
「たきこみごはんも好きじゃないよ。」
と言うので、びっくりしたらしい。ごかいもしていた。ぼくが小さいころはたきこみごはんが大好きで、よく作っていたから、きらいとはっきり言ってもらわなくてよかったと思った。
あいまいはいやだ。だけど、役に立つこともあるから、いいところもある、というのがわかった。うまく使い分けられるようにしたい。
講評 mae
がんばっていい清書にしあげられたね。来月もがんばろう!
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