低学年から学力の基礎を作る
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
小学1・2年生
小学3・4年生
小学5・6年生
中学1・2・3年生
高校1・2・3年生
間の大切さ トゥインクル
日本人は義理人情にからまれて、相手に熱
心にたのまれると、断るのは何か気が引ける
ようになってしまう。日本人のノーはけっし
て絶対的な否定ではなく、その一部にイエス
をふくみ、イエスはその中にノーの要素を持
ち合わせている。
私もそう。はっきり言うってむずかしい。
合わせておいた方が安全な時もあるし、答え
たくないと「いや、まあね・・・。」なんて
お茶をにごすことも少なくない。
萌ちゃんという子がフリフリでドレスアッ
プしているリボンを持っていた。
「このリボン、かわいいでしょ。五百円だよ。
高級だよ、ね、いいでしょう。」
私は内心、「子どもっぽすぎるし、ごてご
てしているけど、小さい子のプリンセスごっ
こ風じゃないかなあ。でも夢をこわしちゃ
う」と一瞬で考えて、
「へぇー、すっごーい。」
と感心したふをよそおった。おこるかもしれ
ないし、しょぼんとするかもしれないから。
萌ちゃんが△というグループの話をしてい
る時も、
「○○が好き。マジで、かっこいいの。」
私は、「うーん、この前みたらジャガイモ、
ちょっとかっこいいジャガイモだと思ったん
だけど、ファンだもんね、萌」
と考えて、
「うん、まあ」
とごまかしてしまった。夢こわすかもと思っ
たから。
パソコンでいろいろ調べると、小倉遊亀さ
んと奥村十牛さんの絵が出てきた。朝顔やキ
キョウの花がかかれている。庭に咲いている
のだと思うが、後ろは色がぬってあるだけで、
石やら木やらコケなどは全くない。ところが、
セザンヌという人の静物画は、後ろにカーテ
ンなどぎっしりかかれている。私は空間があ
るほうが涼しげで好き。ぎっしりとこく描か
れると暑い感じがする。
庭園もそうだ。枯山水の画像を検索した。
次に、イスラム庭園。イスラム庭園のほうが、
木がぎっしりだし、幾何学的にこの岩をここ
で、この岩はここに置くという感じ。きちん
としていて、安定感がある。でも、自然を人
間が動かしたみたい。枯山水のほうは岩の一
は自然なままだし、よくわからない、ゆらゆ
らしている。自然と仲がいいみたい。私はゆ
らゆらの自然のままが好き。
日本人の間は思いやりや、涼しげな空間が
だと思う。空間は甘えではない、必要なもの
だとわかった。
講評 sinoti
最初に書いた感想文に比べ、格段によくなりましたね。
ききほさんがどうして心に思っていないおべんちゃらを言ってしまうのか、そのときの心理描写がしっかりできています。そしてそれがそのまま、日本人が好む「あいまいさ」の説明になっていて、とてもいいですね。
絵や庭園のことを調べて、関連づけて書いているのもとてもいいと思います。よく工夫していますよね。
ひとつ気になったのは、体言止めが多かったことです。「〜だから。」という文章は「〜だからだ。」とした方が文章としてかっちりします。「〜が好き。」も「〜が好きだ。」の方がいいですね。作文の場合は、体言止めの文章を続けることでリズムが出てきていいケースもありますが、感想文の場合は、かっちりした文章で書いた方が重厚な感じが出るのでいいと思いますよ。
読解問題は満点でしたね!おめでとう!!!!
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