創造と発表の新しい学力
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
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断れない日本人 リラックマ
「そこをなんとか」という言い方があるように、日本人の返事はとてもあいまいであると筆者は述べている。外国人は、自分の言った事に対して「YES」か「NO」かのはっきりした返事をせず、申し訳なさそうに笑う日本人の態度を、ごまかしであると思うらしい。しかし日本人には、義理と人情を大切にする習慣があるので、あいまいな返事こそが、最も人間的な対応だと考える。
私も、思ってもいないことを言った経験がある。ある朝、かみの毛を切ってきた友達に会った。
「このかみ型、どう?」
と、こうふんした様子で話しかけられた。まるで、マッシュルームみたいなかみ型に、私は内心ふき出しそうになった。でも、笑いをかみ殺して、
「Aちゃん、かみ切ったの?かわいい。似合うよ。」
と私はほめた。それは、本当のことを言って、Aちゃんを傷つけないようにするためだった。本心ではないのでほめ言葉も言い辛かったが、Aちゃんが喜んでいるのを見て、「うそも方便」で、時には心と反対のことをいうのもいいことだと思った。
また、すすめられて断れなかった経験もある。初めて、米軍基地にある英語の先生宅へおじゃました時のこと。先生から、他の生徒からもらったというエビのせんべいをすすめられた。エビ!それは、私が最も苦手とする食べ物の一つである。せんべいの表面にうめこまれているエビを見て、のけ反る以上にエビ反りたい気持ちにかられた。
「Do you want?」
と聞かれた私は、首をかしげてあやふやな返事をした。私にとっては、それが「NO」と
いう意味だった。しかし先生は、満面に笑みをうかべて、せんべいを差し出した。私は、もう後にはもどれないと思い、息を止めて一口でそれを飲み込んだ。もし私が外国人だったら、そく「NO」と言っていただろう。私はその時、日本人である自分を、情けなく思った。
この話を読んで私は、日本の文化は自分の意見を主張せず、人とうまくやっていこうとするものであるとわかった。その反面、思ってもいないことを言ってしまって不利になることもある。私は、この文化にそろそろ愛想がつき始めた。しかし、そうは言っても、毎日あいまい返事をしてしまう。今日も、
「もっといる?」
と聞かれて、「NO」と言う代わりに、首をかしげてみせた。
講評 kou
今回は二週目の感想文を清書として新しく書いてくれました。とても読み応えのある作品です!
<第一段落>要約がすばらしいです。要点をおさえ、自分の言葉でしっかりまとめることができました。
<第二段落>まさか「へんなかみ型ね。にあわないわよ。」なんて言えないですよね。しかしこういうところが日本人のよさでもあり、逆にそれがないと人間関係がぎくしゃくしてしまうかもしれませんね。
<第三段落>リラックマちゃんのそのときの心の動きがとてもわかりやすく伝わってきて、おもしろい内容です。先生がリラックマちゃんの立場でも同じような態度をとるんじゃないかなぁ。はっきりとことわることで何か相手を傷つけてしまうような気がしてしまいます(^_^;)。
リラックマちゃんはどうだったかな? あやふやな返事のしかたをしたときの心理状態などを書き加えてもいいかもしれませんね。
<第四段落>とても味があっておもしろいまとめかたです(^^)。
日本人のあいまいさはたしかにちょぴり情けない部分でもありますが、人間味があっていいところなのかもしれませんよ。
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