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小学生の書き出しの工夫がワンパターンに感じられるときの対応  2011年1月26日  No.1143
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 小学校5年生の子供のお母さんから、「いつも同じような書き出しの工夫しかしないのですが」という相談がありました。

 書き出しの工夫には、会話、色、音、情景などいろいろな方法がありますが、子供にとっていちばん簡単なのは会話の書き出しです。そこで多くの子供は、書き出しを簡単な会話から始めて、そのあとに「いつ、どこで、何をしました。」という形で書いていきます。

 ところが、文章の書き出しの部分と結びの部分は、作文の中で最も目立つ場所なので、大人がその子の作文を何度も見ると、書き出しの仕方がワンパターンであるように感じてしまうのだと思います。

 しかし、ここで大事なことは、書き出しの工夫のようなテクニックは、生活作文を書いている小学校時代の作文で主に生かせる書き方であるということです。

 子供たちが中学、高校に進んでいくにつれて、作文の勉強の中心は、実例に広がりを持たせること、意見を自分なりに考えて書いていくこと、という方向に進んでいきます。

 ですから、書き出しの工夫に変化がないからと言って、そこをさらに上手に書かせようとするよりも、書き出しの工夫はほどほどにして、それよりも先の学習目標である実例と意見を充実させていくことを勉強の目標にしていく方がいいのです。

 また、書き出しの工夫が同じようなパターンになりやすいのは、語彙が不足していることが原因であることもよくあります。書き出しのテクニックを知らないから同じような書き方になってしまうのではなく、語彙力が乏しいために、同じ工夫をしても変化を持たせられない場合があるのです。

 したがって、同じようにパターン化された書き出しから脱却するためには、読書や暗唱によって語彙をふやしていく必要があります。

 ところが、読む力をつける学習は、それが作文という形で効果が表れるまでにかなり時間がかかります。目に見える効果は忘れたころにやってくると考えて、気長に取り組んでいくことが大事です。

 さて、生活作文のときは、事実中心の文章なので書き出しの工夫がしやすいのですが、説明文や意見文の場合も、もう少し発展した形で書き出しの工夫を生かすことができます。

 特に、堅い論説文のような場合に、情景の書き出しをうまく使うと効果的な書き方ができます。さらに、「書き出しの結び」という方法で書き出しのキーワードを結びの意見と結びつけると、論説文でも印象的なまとめ方ができます。しかし、もちろんその場合でも、文章の中心は、広がりのある実例と、自分なりに考えた意見です。

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