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作文の勉強を家族の対話に生かす。--点数の勉強から対話の勉強へ  2011年3月9日  No.1191
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 作文の勉強は、国語の勉強の一部と思われています。また、国語の勉強は、国数英理社などのさまざまな教科の一部と思われています。しかし、本当は違います。

 国語の勉強は、国数英理社などの教科と同列の勉強ではなく、それらすべての教科の土台となる理解力、思考力をつける根本の勉強です。だから、国語力のある子は、たとえ今、ほかの教科があまりできなくても問題ありません。本気になって取り組めば、ほかの教科の勉強もすぐにできるようになるからです。しかし、逆に、国語力のない子は、たとえ今ほかの教科がよくできていても、将来に不安が残ります。考える勉強になればなるほど、どの勉強にも国語的な思考力が必要になってくるからです。

 ところで、国語の勉強は、日本では漢字の読み書きの勉強のように思われていますが、漢字力は国語力のごく一部です。その証拠に、漢字力が国語力として評価されている国は、世界でも日本と中国だけです。国語力の中心は、文章を読んで理解する力、つまり読解力と、考えたことを表現する力、つまり作文力です。だから、子供たちの勉強の中心は、読書と作文になるのです。

 この作文の勉強を、言葉の森では、従来の「点数の勉強」としてではなく、「対話の勉強」として考えています。

 作文以外の勉強は、ほとんどすべてが点数の勉強です。学校や塾でテストがあると、点数のついた答案が返されます。たいていの親は、その点数を見て、よくできていたかあまりできていなかったかを判断し、それで返されたテストはしまってしまいます。もちろん、ほとんどの子供もそうです。テストというものは、習ったことの定着度を調べるためのものですから、点数がわかればそれでいいのです。しかし、そのテストと同じような見方で作文を見てしまうのでは、作文の勉強を生かしたことにはなりません。

 もちろん、言葉の森でも、作文の勉強をできるだけ客観的に評価できるように、点数の評価を行っています。例えば、森リンの点数ランキングや、毎回の作文の項目のでき具合による○×評価などです。作文の評価でこのように客観的な採点を行っているところはほかではほとんどありません。従来のほとんどの作文評価は、評価する人の主観に左右されるので、人によって点数が変わったり、あるいは同じ人でも日によって点数が変わったりしています。

 しかし、言葉の森では客観的な点数は出していますが、小学校4年生以下の生徒には、あまり点数を意識させないように工夫しています。例えば、毎月の森リンのベスト10で、小4以までは上位の作品を表示していません。それは、なぜかというと、お父さんやお母さんが、その点数や作品を見て、点数の競争で子供に意欲を持たせようとすることがあるからです。「この第1位の作文に負けないように書きなさい」というような励まし方をするお父さんお母さんがかなりいるのです。

 作文は、ほかの勉強と違い、がんばったからといってすぐに上手になるものではありません。作文の上達には、きわめて長い時間がかかります。それは、作文力が、その子の本当の学力とむすびついているからです。短期間の努力ではすぐに上達しない勉強を、点数の競争としてあおられると、子供はかえって意欲を失います。

 そこで必要になってくるのが、対話の勉強です。作文が返却されたあとに、それをすぐにしまうのではなく、お父さんやお母さんがその作文を読んでみるのです。しかし、読んだあとに、「この字が違っている」とか、「もっとていねいに書きなさい」とか言うために読むのではありません。特に、子供と接する時間の少ないお父さんは、子供の作文を見ると批評したくなると思うので、言いたくなるのをぐっと抑えてください。子供の書いた作文を読むなり、「ここがおかしい」などと言っているようでは、作文の見方は合格とはいえません。(つづく)

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