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暗唱と理解  2011年10月17日  No.1368
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 覚えることは、理解することと正反対のように思われています。

 確かに、丸暗記しただけのものは、テストが終わればすぐに忘れてしまいます。その反対に、理解して身につけたものは、あとあとまで残ります。

 しかし、理解にも、浅い理解と深い理解があります。ある文章を読んでそこに書いてあることを理解したつもりになっても、あとで読み返すと、もっと深く読み取れるこということがあります。理解することを目標にすると、かえって浅い理解で終わってしまうこともあるのです。



 では、深い理解をするためには、どうしたらいいのでしょうか。

 ひとつの方法は、国語の授業で先生が深く説明をするような方法です。しかし、この方法の弱点は、(1)先生の名人芸が必要、(2)時間がかかる、(3)少人数にしか教えられない、というところにあります。そして、生徒自身が、先生に教えてもらうという受け身の形になりやすいということもあります。

 もうひとつの方法は、繰り返し読んで丸ごとその文章を自分のものにするという方法です。何度も繰り返し読んでいると、理解できないことも含めてその文章が自分のものになってきます。すると、何かのきっかけにその内容がより深く理解できるというようになってくるのです。

 この方法の長所は、だれでもいつでもできるということにあります。難しい本であっても、教えてくれる先生がいなくても、何度も読んで自分のものにしてしまうという方法だからです。



 具体的には、同じ本を繰り返し読む、同じ長文を繰り返し音読する、又は暗唱するという方法です。

 中でも、文章を丸ごと暗唱するという方法は、密度の濃い繰り返しの勉強法です。簡単な文章でも難しい文章でも、何度も読んで暗唱できるようになると、必ず最初に読んだ読み方よりも深く読み取れるようになってきます。

 その証拠に、一度だけ読んで理解した文章を子供に説明させてみると、細かい部分は意外と正確なのに大きな幹の部分がどこかわからないような説明の仕方をすることがよくあります。

 その逆に、何度も読んだ文章を説明させると、自分の言葉で自由に説明でき、質問にも自分の言葉で自由に答えることができます。ちょうど通いなれた道を気楽にお喋りしながら歩いていくような感じで説明することができるのです。



 国語の勉強法がよくわからないという人がいます。読解問題の解き方のコツのようなことは、授業で説明することができますが、それ以前の読む力をつけるための読み方をどのようにしたらいいかわからない人が多いのです。

 その方法は、繰り返し読むことです。

 繰り返し読むというだけでは単純すぎて張り合いがないという人は、暗唱の練習から初めてみるといいと思います。暗唱は、繰り返しの回数を決めて音読していけばだれでも簡単にできます。難しい文章を丸ごと暗唱できるようになると、文章に対する理解力がついてくるとともに、文章の表現力もついてくるのです。

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