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国語力をつける根本的な勉強法 8「対話によって読解力、表現力を育てる」  2013年3月28日  No.1777
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 文章の理解のレベルには、浅い読みと深い読みの違いがあります。それは例えば、次のようなことです。
 人間には、うれし泣きとか、照れ笑いとか、意地っぱりのように、表情や動作と本心が違う場面がときどきあります。浅い読みとは、表面的な表情や動作からの読み取りのようなものです。深い読みとは、その表情や動作の背後にある心情からの読み取りのようなものです。
 浅い読みが単純に間違いというのではないので、深い読みとどう違うかを理解させるのは簡単ではありません。そのときに必要なのが、似た例を知ることによって理解するという方法です。この似た例を話すのに最適な人が、その子供のいちばん身近にいる両親です。

 子供が問題集読書をして、その内容を両親に説明したあと、お父さんやお母さんが自分の体験を通して似た例を話してあげます。これが、子供にとっては、表現の練習にもなり、理解の練習にもなります。
 難しい内容を、そこに書かれている難しい言葉で説明しようとすると、自然にその言葉が自分の表現語彙の中に入ってきます。ただ読むだけでは使える言葉にはなりませんが、口頭で説明しようとすると、それが作文でも使える言葉になるのです。作文に使う表現語彙の増加は、このように口頭での説明を通して身につけていくのが最も自然です。

 両親に長文の内容を説明したあと、両親が自分の体験を通して似た例を話してくれると、子供の理解は一段と深まります。このときに大事なのは、両親が話すのは、できるだけ自分の体験に基づいた似た例だということです。
 子供は、両親の意見や一般的な説明だけを聞いても、読みを深めることができません。実際の体験に基づく似た例を聞いたときに、初めて理解が深まります。意見や説明を聞く場合でも、体験の裏づけをもとにした意見や説明を聞くということが大事なのです。

 入試の作文小論文の課題では、よく「あなた自身の具体的な体験をもとに」という条件がつけられることがあります。こういう条件がないと、生徒によっては、課題の長文の要約がほとんどの文章を書いて済ませてしまうことがあるからです。

 難しいテーマをもとにした、両親など身近な人との対話というのが、国語力をつける勉強の最後の仕上げです。更にその先に、作文力を向上させるという勉強もありますが、大事なのは、作文力をつける前までの準備です。

 これまで説明してきたのは、(1)教育漢字集、常用漢字集で漢字の読みの力をつける、(2)読書で速読力をつけ、問題集読書で難読力をつける、(3)問題集読書や音読長文もとにした家族との対話で読解力と表現力を深める、という流れでした。

 国語力をつけるというのは、ただ国語の問題集を解けばできるようになるというものではありません。また、ただ作文を書いていれば作文力がつくというのでもありません。
 問題集や作文は、国語力の結果です。問題の解き方のテクニックを教えても、そこで身につくのはその生徒のもともとの国語力の範囲までです。作文の添削や講評をいくらくわしくしても、そこで身につくのはやはりその生徒の中にある表現力の範囲までです。

 だから、国語力、作文力をつけるには、国語のテストや作文の結果に手を加えるだけではなく、それらの学力のもとになる漢字力、読解力、表現力を系統的に育てていく必要があるのです。(おわり)

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