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旧社会から新社会へ(1)江戸時代の寺子屋に見る未来の教育の姿  2014年8月27日  No.2202
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 現代は、時代の変わり目です。かつての貴族階級が武士階級に取って代わられたような、あるいは、武士階級が市民階級に取って代わられたような、大きな時代的変化があったときと同じ状況にあります。なぜなら、社会の基礎となるシステムがあちこちで行き詰まりを見せているからです。今は、旧社会から新社会への大きな変化が起きる前夜だと言ってもよいでしょう。
 旧社会は、これから来るさまざまな荒波の中で、次々に崩れていくでしょう。その崩壊の前兆が、今起きているさまざまな混乱だとも言えます。経済破綻、暴動や戦争、パンデミック、自然災害など、人類が直面しているいくつもの困難と入れ替わるように、新社会への芽が今あちこちで生まれています。それは、例えば、保江邦夫さん、木内鶴彦さん、木村秋則さん、安保徹さん、秋山佳胤(よしたね)さんなどの本に表れている世界です。

 では、このような新旧の入れ替わりの社会の中で、私たちはどのような行動を取っていけばよいのでしょうか。
 それは、旧社会での弱肉強食の競争に勝つ一方で、新社会の競争ではなく創造の、互いに与え合う社会の準備をすることです。
 言葉の森は、その新社会への取組を教育の場で行っていきたいと思っています。

 しかし、新社会に向けての取り組みは、現代の社会ではまだ形にはなりにくいものです。だから、当面は、今の社会の必要性に対応した取り組みをしていく必要があります。
 今の社会への対応の特徴をひとことで言えば、デフレへの対応です。あらゆるものが低価格化に向かう中で、品質を下げたり、どこかにしわ寄せを向けたりする低価格ではなく、本質的な低価格を目指すことがデフレへの対応策です。
 本質的というのは、従来のものよりも低価格であるだけでなく、高品質だというものでなければなりません。それは、今生まれている木村さんの農業であったり、安保さんの提唱する医療であったりするものです。
 それを、教育の場で行うものが寺子屋教育です。

 寺子屋教育というと、多くの人は、少人数の手間暇をかけた親身な教育のように考えていると思います。確かに、そういう一面もあったでしょう。しかし、寺子屋教育の本質は、どちらかと言えば、それとは正反対のものです。
 先生1人に生徒多数で、先生はのんびり自分の好きな本を読んでいるような状態の中で、子供がのびのびと自学自習を進めていくような教育が、寺子屋教育の姿でした。その中で、生徒と先生が生涯のつながりを持つような関係が成立していたのです。

 寺子屋では、朝7時から午後2時ごろまで毎日6、7時間、小1から小6までの無学年制で、教室によっては50人から100人の生徒が1人又は少数の先生のもとで勉強をしていました。
 しかも、この寺子屋は、一般庶民の子に開放された大衆的な教育で、この教育が当時の日本人の識字率70~80パーセントという世界でも類を見ない成果を生み出していました。
 そして、この寺子屋の中で、子供たちはのびのびと笑顔で学んだり遊んだりいたずらをしたりして過ごしていたのです。その明るい教室の様子は、当時の浮世絵に数多く表されています。

 これと対極的なのが、その当時のヨーロッパの教育で、お金持ちの子弟だけを集め、教師がムチを持って教えこむ厳しい教育でした。これも、当時の絵画の中に子供たちの教育の様子として描写されています。

 現代の世界の教育は、日本の寺子屋教育ではなく、このヨーロッパの教育の延長にあります。

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