作文の指導が難しいのは、直さなければならないところがたくさんあるからです。
30人の生徒がいれば、30人それぞれに様々な作文の欠点があるのが普通です。
そこで例えば、「字をもっとていねいに書きなさい」とか、「漢字を使って書きなさい」とか、「姿勢をよくして書きなさい」とか、「鉛筆の持ち方に気を付けなさい」とかいうことを注意していると、作文はどんどん暗い勉強になっていきます(笑)。
そして、そういう注意を受けない、よく書ける子の作文を模範作文としてみんなに見せるようなことをすれば、書けない子はますます作文が書けなくなります。
言葉の森に来る子供の中には、作文が好きでたまらないという子と、作文が嫌いでたまらないという子の両方がいます。
作文が嫌いでたまらない子というのは、これまで注意されたり比較されたりして作文を評価されてきた子です。
そういう子が、体験学習で楽しく作文を書けるようになるのはなぜかというと、できないことを教えるのではなくできることを教えているからです。
(つづく)
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それまで作文を書くのが嫌で嫌でたまらなかった子が、言葉の森の体験学習に来て、その日のうちにどんどん書けて、先生に褒められて嬉しそうに帰るということがよくあります。
子供は誰でも、その子にできそうなことであれば、喜んでやるのです。
嫌がるのは、できそうもないことをやらせようとするからです。
作文を教える前に、お母さんによく言います。
「子供は作文の勉強、お母さんは褒める勉強です」。
そういうと、ほとんどの方が納得してくれます。
そして、その子は、ずっと楽しく勉強していって、やがて本当に褒められる子になるのです。
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