国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく。

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誰でも暗唱ができるようになる方法――成長期の子供の日本語力育成に有効  2018年6月18日  No.3347
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 2016年4月からスタートした暗唱検定の合格者が、2018年6月の時点でのべ83名になりました。
 生徒の自主的な参加に任せる形で行っているにも関わらず、このように多くの生徒が合格していることに感心しました。

 暗唱検定の初段は、約12,000字の文章を30以内に読むという内容です。
 これに合格した子が、既に3人もいました。

 暗唱の経験のある人は、この30分の暗唱ができるようになるまで、毎日10分の練習をどれだけ続けたかわかると思います。
 12,000字の暗唱が完璧にできるようになるには、順調に行っても1年はかかります(普通の人の場合です)。
 これだけ時間をかけると、この暗唱はほぼ一生身についたものになります。

 この暗唱練習には、大きな効果があります。
 まず暗唱によって頭脳が活性化するだけではなく、気持ちも活性化し、何事も積極的に取り組むようになります。
 また、文章の理解力がつき、語彙力が増え、表現力が増し、ものの考え方が深まります。

 暗唱の練習は、これまで家庭の取り組みに任されてきましたが、オンラインの少人数クラスで暗唱チェックをすることで、誰でも楽に取り組めるようになりました。

 そこで、これからは、この暗唱練習の普及にも力を入れていく予定です。


 さて、この暗唱は、日本国内の生徒はもちろんですが、海外の日本人生徒には、更に大きな効果があります。

 海外で生活する小学生の子供がいる家庭では、その子の日本語力をどう維持していくかということで日々苦労していると思います。
 幼児期はまだしも、現地での学校生活が中心になると、子供はどうしても現地の言語を優先し、日本語は家庭の中だけで使うようになりがちです。
 友達との交流の中で使う言語が最優先されるというのは、成長期の子供にとって当然のことだからです。

 ところで、小学1年生から3年生にかけては、日本語脳が形成される臨界期だと言われています。
 現地の言葉(例えば英語や中国語)が自由に使えるようになっても、肝心の日本語がうまく使えなくなっては、総合的に見てプラス面よりもマイナス面の方が大きくなるのではないかと思います。

 そこで、言葉の森が考えているのは、この小学1年生から3年生の時期に、日本語暗唱検定を目標にして毎日10分間の暗唱の練習を続けることです。
 小学1年生から3年生は、ちょうど暗唱が最もたやすく身につく時期でもあるからです。

 友達と一緒に、オンラインで毎週の暗唱チェックがあるという環境であれば、半ばゲームのような感覚で暗唱の練習を続けることができます。
 そして、暗唱は、ある程度できるようになると、今度は、声を出してリズム感のある文章を暗唱することが楽しくなってきます。

 言葉の森の暗唱検定の暗唱文は、日本語の古典の、既に文化として定着している文章で、リズム感のあるものを中心にしています。 しかも、単に有名な文章だから選ぶというのではなく、その文章に、日本的な情景描写、心情感覚、人間観、人生観、自然観のあることを重視しています。

 この毎日10分間の暗唱練習による日本語力の育成が、海外で暮らす生徒にとっては、簡単でしかも効果のある方法になると思います。

▽発表学習コースでの暗唱チェックの例
(こういう暗唱チェックを、少人数クラスのオンラインの授業の中で毎週行っています。)
https://youtu.be/XIYCDBi6dn4


233-0015 233-0015 横浜市港南区日限山4-4-9言葉の森オンラインスクール 電話045-353-9063
 
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暗唱(121) 

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nane 20180618  
 なお、暗唱検定試験は1回500円、オンラインで受検します。言葉の森の生徒以外の方も受けられます。
 5~2級に合格した人には、それぞれ認定証が送られます。初段に合格した人にはトロフィーが送られます。
 暗唱文集は、こちらですので、プリントして自由にお使いください。
https://www.mori7.net/mine/as2.php

森川林 20180618  
 国語力をつける方法としては、読書と音読と対話が最も効果があります。
 国語の問題集を解くというのは、あまり効果がありません。
 国語の得意な子は、問題集を解くような勉強をしていない子がほとんどです。
 ただ、問題集を読むことは、読書と同じで効果があります。
 さて、音読は特に大きな効果がありますが、音読で大事なことは少し難しい文章で同じものを5回以上繰り返し読むことです。
 しかし、これが退屈するのか、音読を家庭で続けられない子もかなりいました。
 そして、いちばんの問題は、子供が家庭で音読をしているかどうかを先生が確かめられないことでした。
 音読は、やったかやらないかがはっきりしなかったからです。
 ところが、暗唱の場合は、毎日10分やっていれば誰でも完璧にできるようになるという基準がはっきりしています。
 そして、オンラインで暗唱検定を受けたり、オンラインで暗唱練習をしたりということができるようになりました。
 これから、この暗唱練習を子供たちの日本語力育成の方法として広げていきたいと思っています。

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