国語力、作文力をつける低学年からの勉強法
 これまでは、覚えた知識を再現する記憶型の勉強が中心でした。しかし、これからは、思考力や表現力を見る作文型の勉強が中心になります。公立中高一貫校の入試でも、公立高校の入試でも、大学の入試での、小論文のウエイトが次第に高くなっています。また、就職試験でも文章表現力が重視されています。 つづきを読む
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読解力は、読む力と解く力でできている  2019年2月10日  No.3555
 URLは、https://www.mori7.com/index.php?e=3555      



 国語力の中心は、読解力です。
 将来は、作文力がもっと前面に出てきますが、今は作文力を評価する方法が限られていることから、読解力が国語力の中心となっています。

 その読解力は、読む力の縦軸と、解く力の横軸で構成されています。(図参照)



●小学1、2年生の読解力

 「1A」となっているところは、子供が小学1、2年生のころの読解力です。このころは、読む力と解く力が同じような場所にあります。
 それは、まだ読む力も解く力も初歩的な水準にあるからです。

 このころの読解力は、読解のテストなどをしても正しくは把握できません。
 小1、小2のころの読解力は、初めて見る文章をどれぐらいすらすら読めるかで把握できます。
 つっかえながら読む状態のうちは、読書を楽しむということはまだできません。本を読んでいるように見えても、ほとんど眺めているのに近い状態です。

 すらすら読めない子に読む力をつけるためには、第一に読み聞かせをして耳からの読書の時間を取ることです。
 そして、第二に短い時間でいいので毎日音読の練習をすることです。

 音読の練習を続けさせるコツは、どんな拙い読み方をしても、いつも褒め続けることだけです。

●小学3、4年生の読解力

 小学3、4年生になると、読む力も解く力も少しずつ進歩してきます。
 読むものが、絵本や短い物語から、次第に長い物語や説明文の本に移行する時期です。
 また、問題の解き方も、解くコツを知っているかどうかがわずかに影響しますが、それはまだ大きなものではありません。
 この時期に大事なことは、読書の質を上げていくことと、読書の量を確保することです。
 読書の質を無理に上げようとすると、読書の量が低下します。
 小学3、4年生の読書で中心になるのは、まだ読書の量の方ですから、たくさん読むことを基本にしつつ、説明文の本を楽しく読めるような力をつけていくのです。

 そのときに、説明文の本を読む助けになるのが、その子の興味や関心です。
 その子の興味や関心に合う本を、月に数回、図書館などで探すのがお母さんやお父さんの仕事になります。

●小学5、6年生の読解力

 小学5、6年生になると、国語の問題が受験にも対応したものになってきます。
 これが、「2B」の段階です。
 読む力は「1」から「2」へと進歩していきますが、それだけでは問題を解くことができない場面が出てきます。

 問題を解く力は、「A」から「B」に進みますが、これは本を読んでいて自然に進むわけではありません。解き方を身につけて、理詰めに解く力をつけなければ、「A」から「B」に進むことはできません。
 それは、小学5、6年生の受験期は、読解力の重点が、読む力よりも解く力に移る時期だからなのです。

 「小学生のための読解・作文力がしっかり身につく本」が、読解の章で説明しているのが、この小学5、6年生が解く力をつけるための方法です。
 解く力をつけることで、急に成績が上がるようになります。
 逆に、この解く力をつけないと、国語の問題集だけをいくら解いても、成績はなかなか上がらなくなるのです。

●中学生の読解力

 中学生の読解力は、小学5、6年生の読解力の延長にあります。
 だから、勉強の基本は、理詰めに解く力をつけながら、その一方で読書の質を上げていくことにあります。

 中学生になると、読書ということは学校でも家庭でもあまり周囲からうるさく言われなくなります。
 学校の勉強が最優先で、読書はできたらすればいいというような感覚になりがちなのです。

 しかし、この時期に読書の質を上げていくことが、その後の読解力に影響してきます。
 読書の質を上げる方法のひとつが、問題集読書です。これは、問題集の問題文を読書がわりに読む勉強法です。

 読む力のある生徒は、問題集の問題文を内容を楽しみながら読むことができます。問題集には、良質な物語文と説明文が豊富に掲載されているからです。

 ただし、問題集の文章は、通常の読書と違ってあまりにも短いので、読むことに没頭することができません。
 だから、中学生の時期は、通常の読書で読む楽しさを味わいながら、その一方で問題集読書で読む質を高める手助けをしていくといいのです。

●高校生の読解力

 高校生の読解力では、読む力と解く力は更に分離してきます。読む力は「C」に進み、解く力も「3」に進みます。
 このころになると、解く力がいくらあっても、読む力がないと解けない問題が出てきます。
 大学入試センター試験などの読解問題では、読む力がないと、解く力だけでは満点を取ることはできなくなります。
 読みやすい文章や普通の文章では、解く力を使って正しい答えを選べる生徒が、難しい文章になると理詰めに読み取ることができなくなるのです。

 そのときに必要な読む力は、中学高校生時代の長い蓄積でできたものですから、短期間に読む力を上げることはできません。
 だから、解く力とともに、難しい文章を読む力を、問題集読書や自分なりの高度な読書生活によってつけていく必要があるのです。

●大学生の読解力

 大学入試センター試験で、ほぼ満点近い成績が取れるようになったから、読解力が完成したのかというとそうではありません。
 その先に、読む力を更に伸ばす「4」の段階があります。これが、難解な専門書や哲学書を読む段階です。

 この時期には、もう読解力を評価するテストのようなものはないので、解く力はあってもなくてもかまいません。だから、解く力は「A」でもいいのです。
 ただし、口頭試問などで話をすれば、どのくらい読む力があるかということはわかります。

 この難しい文章を読む力が「4」に伸びる時期は、高校3年生から、大学2、3年生にかけてです。
 高校生のころは受験勉強に追われ、大学生になるとやがてすぐにが就職活動に追われるようになるので、大学生の最初の1、2年間は読む力をつける貴重な時期です。

 しかし、日本の大学では、高度な専門書や哲学書を読破するという勉強をほとんどしません。

 もちろん、大学生時代は遊びも含めて多様な経験にチャレンジする時期ですから、読書だけが大切なのではありません。
 しかし、最も読む力が伸びる時期に、難しい本を読む機会がないというのは、その後の知的生活の土台が作れないということです。
 だから、多くの人が、高校3年生の学力がピークで、その後はなだらかに低下するようになっていくのです。

 大学での勉強を充実させることが、これからの教育改革の一つの要になってきます。

 そのためには、小学生のころから読書を中心とした読む力をつける勉強をし、受験期に入ったら集中的に解く力をつける勉強に切り換え、受験が終わったらまた高度な読書生活を再開するという形で読む力と解く力をバランスよくつけていくといいのです。


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 コメント欄

森川林 20190210  
 解く力をつけると、国語の成績は急に上がります。
 しかし、解く力をつけただけでは解けない問題がやがて出てきます。
 それが読む力を必要とする時期です。
 読書は、国語の成績には関係しないとよく言われますが、高度な読解問題になると、読書力が大きく影響してくるのです。


nane 20190210  
 学校での勉強の間は、読書力は普通でも、解く力をつけていけば国語の成績は上がります。
 しかし、大学生や社会人になると、国語力の中心は解く力ではなく、読書力になります。
 だから、高校3年生の受験勉強が終わったら、まず高度な読書に力を入れていくことです。
 そのためにも、小学校時代から読書を楽しむ習慣をつけていくといいのです。


森川林 20190211  
 昔、保護者懇談会で、「塾の先生から、『読書をしても国語の成績は上がらない』と言われたのですが、どうしたらいいですか」という質問があありました。
 別に、国語の成績を上げるために読書をするのではないのですが(笑)、読書力と読解力の関係について、平面的に考えている人が多いようなので、読む力と解く力の関係についての記事を書きました。

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