これまでの全記事   言葉の森
森リン大賞が示す作文指導の目標――学年別に伸ばす書く力  2025年12月13日  No.5398
ホームページの記事は→5398

https://youtu.be/sS-aN9_0PdE

 11月の森リン大賞について紹介します。森リン大賞とは、毎月10日に前月分の作文の中から、よく書けている作品を学年別に選び、ベストテンとして発表する企画です。
 ホームページを見ると、1年生から高校生まで、それぞれの学年で異なる題名とねらいが設定されています。学年が上がるにつれて、扱うテーマも少しずつ難しくなっていることが分かります。

■学年ごとに決まった題名と方向性

 例えば、小学1年生は身近な体験をもとにした題名で、2年生、3年生と進むにつれて、考えを整理して書く力が求められます。
 5年生では「こだわりが通用しない」、6年生では「慎重居士」など、抽象度の高い言葉が使われています。
 中学生になると、「心を動かす言葉」や「デジタルかアナログか」など、意見を深めるテーマになり、高校生では「自己満足は成長を止める」といった思考力を問う題名になります。

■小学1年生の作文項目の具体例

 それぞれの学年には、書く際の項目がはっきりと決められています。
 1年生の場合は、「初めに絵を描こう」「会話を思い出して書こう」といった具体的な指示があります。たとえが書けそうなら書いてみる、理由が分かるなら「どうしてかというと」と書いてみる、擬声語・擬態語が使えそうなら入れてみる、といった形です。ダジャレも、無理のない範囲で入れられたら挑戦してみようという位置づけです。

■高校生に求められる構成力

 高校生になると、項目はより論理的になります。
 「当為の主題」から始めて、「複数の方法」を考え、その中の一つに歴史的な実例を入れることも求められます。ことわざを加工したり、反対意見への理解を示したりしながら、名言を引用し、書き出しと結びを意識してまとめていきます。
 何を書くかが明確に示されているため、取り組みやすくなっています。

■目標があるから作文は伸びる

 このように、何を書くかという目標がはっきりすると、子どもは自然と頑張ることができます。
 作文が得意な子も苦手な子も、方向性が分かれば取り組みやすくなります。
 先生も、その目標に応じて具体的に褒めることができます。

 作文指導のコツは、何をどう書いたらよいかを示し、それができたときにきちんと褒めることです。
 そうした積み重ねによって、子どもたちは着実に上達していきます。



▽note
https://youtu.be/sS-aN9_0PdE

233-0015 横浜市港南区日限山4-4-9言葉の森オンラインスクール 電話045-353-9061
 
 同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
作文の書き方(108) 森リン(103) 

 コメント欄

森川林 20251213  
作文力を上達させるコツは、褒めることでも直すことでもなく、書くための目標を示すことです。

コメントフォーム

森リン大賞が示す作文指導の目標――学年別に伸ばす書く力 森川林 20251213 に対するコメント

▽コメントはここにお書きください。 お名前(ペンネーム):

 フォームに直接書くよりも、別に書いたものをコピーする方が便利です。


 日本語作文検定
英検、漢検、数検に続く第四の検定試験 日本語作文検定。
全国初、小1から高3までの系統的な作文指導と客観的評価。
 

受講案内の郵送(無料)をご希望の方は、こちらをごらんください。
(広告規定に基づく表示:受講案内の郵送を希望される方はご住所お名前などの送信が必要です)

電話通信の無料体験学習をご希望の方は、こちらをごらんください。
(無料体験学習をお申し込みの方に、勉強に役立つ小冊子をお送りします。)

Online作文教室 言葉の森 「特定商取引に関する法律」に基づく表示」 「プライバシーポリシー」