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漢字の勉強をどう進めるか  2010年4月6日  No.854
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 漢字の勉強については、読みと書きは別のものだと考えておく必要があります。読みは、主に読書量に比例しています。書きは、勉強量に比例しています。漢字の書き取りができていないのは、単に書き取りの勉強をしていないからというだけです。

 漢字についての大きな問題は、知らないとか書けないとかいうことよりも、勘違いして覚えているので、何を勘違いしているのかわからないというところにあります。

 漢字の書き取りができない原因は何かというと、勉強不足だと書きました。しかし、学校で真面目に勉強しているだけでは不十分です。学校では、集団指導なので、個人差のある生徒を一斉に教えます。すると、書き取りのような時間を取る勉強は、練習量をカバーすることができなくなります。これは、やむをえないことだと思います。

 学校は、テストをして評価することが中心になるので、先生は、「漢字の勉強は家庭でするものだ」と思っています。一方、家庭では、勉強の中身は学校に任せているので、親は、「漢字は学校で習うものだ」と思っています。その結果、子供は、漢字の勉強をしなくてもすむようになるのです

 漢字の書き取りは、家庭でやるものだと決めておくことが大切です。これは、計算練習でも同じです。漢字の書き取りと、計算練習と、読書の三つは、家庭でするものだと考えておくことです。

 では、漢字はどう勉強したらいいのでしょうか。

 まず、市販の問題集で漢字の書き取りのテストをします。そして、できなかった漢字をピックアップします。中学生や高校生の場合でも、小学3年生あたりの漢字からやり直す必要があります。実は、高校生の小論文の誤字で最も多いのが、小学校中高学年のころに習った漢字なのです。難しい漢字はしっかり書けるのに、小学校の中高学年で習った易しい漢字を間違えて覚えている人がかなりいます。

 次に、できなかった漢字を覚える練習です。これも、市販の問題集を利用して、(1)教科書体の字の形をよく見ながら、(2)書き順に注意して、(3)ノートに繰り返し書く、という練習をします。

 1ページ120マスの漢字練習帳や作文練習帳があります。文字の形を覚えるためには、このようにある程度大きいマスのノートの方がいいと思います。このノートに、間違えた漢字を繰り返し書いていきます。1日の勉強時間は5分から10分です。漢字の覚え方には、いろいろな方法がありますが、基本は反復練習です。

 江戸時代の寺子屋では、漢字の書き取りをどのように練習していたのでしょうか。先生が書いた手本を、筆で何回もなぞり、紙が真っ黒になるまで練習をしました。このやり方で、上手な字の書き方と書き順を同時に覚えました。この方法は、頭で覚える方法ではなく手で覚える方法ですから、江戸時代の人たちは、漢字をスポーツや音楽のようなものとして習得していったのです。

 ところで、書き取りの基礎には読み取りがあります。読んだことのない文字を書くのは、象形文字の練習をするようなものです。本をたくさん読んで、日常生活で漢字に接している子は、書き取りの練習をするときも覚えるのが早くなります。ですから、家庭では、漢字の練習をするとともに、読書の練習も並行して進めていく必要があります。

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 コメント欄

匿名 20100526  
とてもいいコメントです。私はタイ人ですが 今でも日本語を勉強し続けております。私として漢字は文法の勉強より難しい勉強ですので 少なくとも一日中に日本語の文書や雑誌などをある程度 読んでわからない漢字を見つけたらそれを持ち、辞書を引いてその文字を毎日覚えております。それでは またコメントさせて頂きます。宜しくお願いいたします。

森川林 20100526  
 コメント、ありがとうございます。
 漢字圏でない国の人が漢字を勉強するのは大変だと思います。
 今のパソコン時代には、読みさえできれば、書きは機械がカバーしてくれますから、読むことを中心に勉強していくといいと思います。
 いつか、日本においでのときは、教室にお立ち寄りください。ヽ(`○´)/
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