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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   忘れられないあの日   ミニまろ

あれは1年くらい前のこと……。
「ぢゅー! ぢぢぢぢぢっ!」
ケージの方から、かん高い声がひびいた。ふとふり向くと、ハムスターのふうが金網でできたケージの小さなすき間に鼻をはさんで、わめいていたのだ。
「わ〜〜っ!」
「キャ〜〜!」
私とお母さんはあわててかけつけた。そしてふうの鼻をそ〜〜っと金網からはずしてみた。きずも鼻血も出ていないようだった。ふうは、
(ああ〜〜もう! むちゃくちゃ痛かったんだから〜〜っ!)
と言っているかのように鼻をなでていた。
 それと、私が1年生の時。一緒に下校していた男子に押されて、転んでしまった。
「大丈夫?」
友達は私の体を起こしてくれた。
「あっ……血がっ!」
友達は私の顔を見て真っ青になった。友達に言われると額にズキズキ痛みが走る。おそるおそる額をさわってみた。すると手に真っ赤な血がついた。何と私は転んだ時に歩道のコンクリートの角に額を打ちつけたのだ。
「……っつ……。」
私は怖くなり、体がガクガクふるえ、目からは大粒の涙が落ちてきた。
「大丈夫!?」
「ごめん! 大丈夫!?」
みんな、(痛いだろうなぁ。)という感情はあったようだが、声が出ないほど痛いのだということまではわかってくれなかった。
 ところで、なぜ生きているものにはみな痛みというものがあるのか? 痛みなんかがあるから、泣きたくなったり辛くなったりするんじゃないか! 痛みなんかいらないよ。……とは思うが、痛みは生きるためにたいへんな役割を果たしているのだ。痛みがないことがどれだけ怖いか。たき火をしていて、火の粉が飛んできたとする。痛みを感じられれば、すぐに気づき逃げることができる。しかし痛みを感じられないと、気づかないうちに燃え広がって大やけど、死んでしまう場合もあるのだ! 痛みというものは、生きものに危険を知らせるために、神様が与えてくれた生きるためのアンテナである。
「ふう。1年前くらいに鼻をはさんだコトがあったじゃん? あの時は本当に痛かったの?」
(何のコト?)
私がいくらたずねても、ふうはきょと〜んとした顔で見つめて、何の反応もしない。
「アハハ。のどもと過ぎれば熱さを忘れるだね。もうその時の痛さなんて覚えてないよ、ふうは。あんたもあの時の額のけが。すっかり治って今は全然痛さを覚えてないでしょ。」
お母さんはふうの頭をなでながら笑った。私もつられてアハハハハハ……と笑った。
 痛みはいやなものだと思っていたが、時には体に危険を知らせて、体を守る役割もしているということがわかった。体の感覚にムダなものはないんだなぁ……と改めて感心した。

   講評   nara


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