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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   死の関係   ハム

 人は二足歩行で手を開放し、その手に道具を扱う役割を持たせ、それを発達した大脳で制御するという方法によって、急速に強い優勢な動物になった。医学という蓄積可能な知識の体系によって死亡率を下げることが比較的容易であることはあきらかで、それに対して伸びた寿命の中身を充実させて幸福な老後を送ることは大変に困難らしいが、ここではそういう面には触れない。食われることは不幸である。動物の場合、われわれとは死の概念自体がずいぶん違うのではないかと思う。イノシシの歩みを想像し、追われつつあるオオジカの考えを想像し、ウサギの好奇心を想像する際に狩人が用いるのと、ひたすら自分の死を思っておびえる現代人の想像力はまるで違う。前者が広い動物界に向かって開き、人をそちらへ押しやるものであるのに対して、後者は人を自分の中へ収斂されるだけ、人はどこへも到達できない。肉食獣に終われて逃げきるか喰われるかは一つのゲームである。動物はみな捕食者であると同時に獲物であり、絶対の優位にたって喰うだけという動物はいない。死は常に目前にあり、誰もそれを忘れたふりをしたりはしない。賢い動物は餌だけにとって罠を逃れる。誰もがこの危険なゲームを楽しんでいる。ただ人間だけが知力でこの罠の仕掛けを逃れて確実に餌をただ取りする方法を考案し、甘美なはずの餌の味をすっかり退屈なものにしてしまった。喰われることとは、あるいは死ぬこととは、個体の中に宿る個としての意識、連続的な生の意識の喪失である。動物たちはお互いに大きな知恵を共有することで個体のエゴを制限し、そこにちゃんと安心立命を見出している。私は、野生動物のように、死を意識して生きることは大切だと思う。
 その理由は第一に、死のような締め切りがあるからこそ物事に一生懸命に取り組むことができるからだ。例えば、テストという締め切りがなければ集中して勉強することができない。あと、私はハムスターを三回飼ったことがあるが、やはりハムスターは寿命が短いので、早々と死んでしまった。その時はすごく悲しかった。特に最初に飼ったときは悲劇だった。生き続けるためには、ペット自信が「生き続けるんだ」という強い好奇心がないと生きていけないのかと思った。あと、私は二年ぐらい前に祖父が死んでしまった。それはそれはとても悲劇だった。祖父は、電車でいろんな所に連れて行ってくれたし、畑での作業も手伝わせてもらったし・・・・。もうそういうことでいっぱいだ。生き続けるためには、祖父自信が「生きたい」という気持ちがないといけないかと思った。
 その理由は第二に、死のような締め切りを自覚しないと計画性のない人生を送ってしまうからだ。平均寿命の国際比較のデータを見ると、日本は男性77歳、女性84歳でいずれも世界1位である。しかし、このような寿命があるということが分かると、それに合わせて老後の計画なども立てられる。
 確かに死を克服しようとして人間の文化は進歩してきた。しかし、「限られた人生で、大事なことは、「何をするか」ではなく「何をしないか」である。」という名言があるように、締め切りを意識するからこそう有意義な人生を送ることができるのだ。

   講評   kamo

全ての項目に◎がついたね! 字数もがんばりました。大分引用(要約)で稼いだけれど(笑)、とにかく目標の1000字を大きく超えられたね。

「第一の理由」は、体験実例の部分とリンクしていないところもあったよ。「テスト」というのは書かなくてもよかったかな。ちゃんといい実例が書けているからね。理由のほうも、その実例に合わせて、「「生き続けるんだ」「生きたい」という強い気持ち」というほうを書いていったらよかったよ。

「第二の理由」はよく書けた。ハムさんの人生設計も、少し書いておいてくれるとおもしろかったと思うよ。
結びも、キーワードも入って、完璧な形だね!

たくさん、イラストの貼り付けをしてくれたね。すごくにぎやかになりました。
もうすぐクリスマスだね。

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