対話と個別指導のあるオンライン少人数クラスの作文教室
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
小学1・2年生
小学3・4年生
小学5・6年生
中学1・2・3年生
高校1・2・3年生
初めての雪登校 よう子
初めての雪登校
よう子
今日は私の地域では珍しく雪・・・しかも大雪です。
「雪が降ってるよ!」
その日、声で目覚めた私は、ベッド脇にある窓をのぞきました。窓の外は、雪がいっぱい降っていて、道路や屋根、庭に雪が積もっていました。今まで雪がまったく降らない地域に住んでいて、実際雪が降ったのは記憶に残るもので、数回しかない私は、嬉しくてまだ少しくらい家の中を走ってリビングまで行きました。
その日は平日。大雪警報も出なかったので、私はいつもどおり学校へ。電車通学だし、駅まで雪で車が出せないので、私は雪道を歩いて駅まで行くことになりました。
雪が降り積もった道を久しぶりに歩くと、やっぱり大変だな、と思いました。小幅で歩かなきゃいけないし、荷物も今日は特別重いし、寒いし、傘を差してるし、靴はぬれて、とても疲れるからです。
やっとのことで駅に近づくと、駅にある時計台が見えました。針はなんと三十五分を指しています! 電車は三十六分に発車です。早くしないと遅れてしまいます!
でも私は走れませんでした。疲れてるし、傘を差してるし、雪ですべるからです。
できるだけ速く足を動かし、なんとかホームに着くと、アナウンスが聞こえました。男性が、
「まもなく、一番線に、上り電車が 参ります」
といっています。やった! 間に合った! アナウンスが響いてから電車が来るまで、時間があります。その間に友達のところまで行けそうです。
無事友達に会い、電車に乗りました。ガタゴトガタゴト・・・揺れる電車はしばらくするとM駅に着きました。電車を降りて、歩いて駅を出ました。
私の家の付近は、朝早くのためかあまり人が通りませんでした。そのため、雪が積もっていました。私が踏んでも、ちょっと氷のようになりますが、溶けるということにはなりませんでした。しかし、こちらは、朝早くから通学するため人がいっぱい通ります。道に雪はなく、かわりに今にも溶けそうな薄い氷がありました。踏むと、溶けて、なんと水が靴の中に入ってきます! おまけで足がすごく冷えました。今にも凍傷になるかと思ったほどです。
横断歩道を渡るとき、氷を踏みました。すると、ズボッ! という音とともに、氷が溶けて深い水溜りになりました。そのおかげで靴はびしょ濡れ。おまけに、時間をとってしまったので急いでわたったとき、横断歩道を半分まで来たところで信号を見上げると、なんと赤信号になっていました。
ようやくのことで教室に入ると、まだクラスの半分以上の人が来ていませんでした。私は、そうだ、JRは遅れが出てたっけ・・・それとも遅れは新幹線だけ? と思いながら朝の準備をしました。
しばらくすると、教室に見知らぬ先生が入ってきました。なんと家庭科の先生ということです。担任のN先生が遅刻したのでかわりに健康観察などをやる、ということだそうです。
音楽の授業を受けたり、ビデオを見たりしながら先生を待っていたら、十時二十五分に先生が着ました。先生は授業をはじめるかと時計を見たら、ビックリしました。十時二十五分・・・つまり業間休みの五分前です。これでは授業を始められるところではありません。あっという間に休み時間になりました。
業間休みなので、私も外に出て予定の雪合戦を始めました。私は運動神経が鈍いので、敵に当たることはあまりありませんでした。そののかわり他の人に当たることは何回もありました。
A君に何十センチもありそうなとてつもなく大きな球を投げつけられた後、私は時計を見ました。もう休み時間は終わりのはずです。私は教室に戻りました。
それから、ワークテストをして、給食を食べました。今日は雪がなくても早帰りなので、帰りの会をしてさようならをしました。私は着替え用の靴と、朝履いてきた靴を交換して、新しい靴を履きました。
帰りは行きほど難しくはありませんでした。少なくともM駅までの道のりは。雪がだいぶ溶けてすっかり元の道に戻っていたからです。
M駅から電車に乗り、G駅に着きました。ここはまだ雪が積もっています。私はザックザックと音を立てながら、雪道をゆっくり慎重に進んで行きました。
横断歩道まで来ました。横断歩道を渡り、横断歩道の端まで来たときです。氷がありました。薄い氷です。ためしにちょっと踏んでみると、やはり氷が溶けて水溜りになります。ここは飛び越えたほうがよさそうです。
ピョン! と私はジャンプしました。なんとか氷は避けられましたが、そのかわり着地失敗です。私は足を滑らせて、ズコッ! という見事な音とともに冷たい雪が積もった地面に転びました。
立って見ると、下半身が雪だらけです。ズボンも濡れてしまいました。これじゃまずい、と思い急いで進もうと思いましたが、寒くてさっきよりペースをあげることができません。しかたなく、冷えた足を動かして、家まで帰りました。
今回のことで、やっぱり雪はある意味楽しいけど、ある意味大変だな、と思いました。こんな雪が毎日のように降っている雪国の人は、雪を嫌いなんだろうな、と思いました。
今回の、スリル満点の通学は、もう一度やってみたいです。ただしこんどは、靴がずぶ濡れになったり、転んだり、遅刻しそうになるような雪通学は避けようと思います。
講評 nara
思いがけず、12月の大雪! 11年ぶりということだから、前に12月に大雪になったのは、耀子ちゃんが生まれる前ということになるわけだ。月曜の雪だから、みんな大変だっただろうね。先生は、傘を握りしめて、ポストまで歩いたよ。(作文をみんなに返すため)
雪道の移動は大変だね。そもそも、そういう大雪を想定(そうてい)していないから、準備もないし、体の動かし方もぎこちなくなる。行きも帰りもお疲れ様! 実は、積もった直後よりも、雪が解け出した帰り道の方が、危険度大だったわけだね。この辺りも、雪に不慣れなことの表れかもしれないなぁ。登下校の様子がとてもくわしく書けたね。
「今回のことで……」の部分は、よく考えられた。ただ「雪が降った。楽しい・寒い。」だけでなく、そこから気づいたこと・わかったことを入れるのは、とてもいい組み立てだね。確かに、雪国の人は大変だと思うよ。しかし、そこを切り離して生活するわけにもいかない。だから、雪を使ったお祭りなど、雪とうまくつきあっていく方法も見つけてきたのだね。そこに、その土地その土地の文化や特色が生まれてくるわけだ。さて、この冬、あと何回雪がふるだろう?
「私は運動神経が鈍いので、敵に当たることはあまりありませんでした。」→この文は「ので」で前と後をつなげると、わかりにくくないかな?
毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘
自動採点ソフト「森リン」で上位になった作文を掲載しています。
しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。
|
お電話によるお問合せは、0120-22-3987(平日9:00-19:30)
| |