対話と個別指導のあるオンライン少人数クラスの作文教室
小1から作文力を上達させれば、これからの入試は有利になる。
志望校別の対応ができる受験作文。作文の専科教育で40年の実績。

昨日2356 今日1765 合計11119
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

小学1・2年生   小学3・4年生   小学5・6年生   中学1・2・3年生   高校1・2・3年生

   戦争   こめ

 慰霊祭のたびに官僚達の挨拶がある。「…みなさまの尊い犠牲の上に今の平和があることを決して忘れず…」という言い回しを何度か聞いた。そのたびにそれは違うと思った。犠牲がなければ今の平和がなかったわけでなはいだろう。早い話が、1944年末の段階で大日本帝国ファシスト(軍国主義者)政権が降伏していれば、3月10日の東京大空襲の死者10万人も、沖縄戦の死者23万人も、ヒロシマの死者15万人もナガサキの死者7万人も出さずに済んだ。(後略)
 僕は、この部分を読んで、まさにこの通りだと思った。その理由は、日本が絶対に負けるということを把握しつつも絶対に勝つと庶民に思いこませて庶民を何十万人と犠牲にしたからだ。そして、この当時の軍国主義者は、自分の国の庶民に犠牲を与えても勝つということを考えていたと思う。
 実際、1944年末には、既に日本の負けが決まっていたようなものだった。この頃には神風特別特攻隊という行きの燃料しか積まない部隊があり、これになった人は、敵艦に体当たりして命を散らした。しかも、それになったのはほとんど若者で、まだまだ生きられる人ばかりだった。また、本文にも書いてあるが、沖縄戦では庶民を盾に戦ったという。このことから、このようなことを命令した人は、人の命の大事さが全くわかっていないと思う。
 今も、世界中のどこかで戦争が起こっている。例えば、イスラエルとパレスチナは、かなり仲が悪く、1993年に一度和平が成立したが、ラビン元首相が暗殺されてからまた頻繁に紛争が発生するようになった。この2つの国(地域)では、テロが起こったらそれを報復攻撃する、それの報復のためにテロを起こす、それの報復攻撃をする、それの報復のためにテロを起こす、それの報復攻撃をする……の繰り返しになっていて、きりがない。それは、まるでキャッチボールのようである。
 今、世界は大戦争になる危険がある。アメリカがイラクに大量破壊兵器の査察をしてなにか怪しいことがあればすぐアメリカは攻撃に移るらしい。また、北朝鮮は核施設の封印をといて今にも核兵器を開発しそうな雰囲気である。
 戦争を解決していく方法として、会議などで解決していく方法があるが、それは良いことなのだろうか。確かに、それは良いという意見がある。会議で解決すれば、人命が奪われるのを最小限に抑えることができるし、国交回復を早く実現させることもできる。
 しかし、それは良くないという意見がある。会議だけで解決してしまうと、会議で決められた条約に反する行為があったらまた戦争になってしまう。また、国民の意見を聞かずに1人あるいは数人で勝手に条約に調印したりしてしまうと、国民が反乱を起こすこともある。そのため、あまりにも戦争が激しい場合は、武力を使って戦争を止めるより他がなくなる。
 確かに、戦争を止めさせるのに武力を使うことは、しかたのないことなのかもしれない。しかし、誤爆などで多くの庶民が犠牲になってしまうことが多い。そのため、やはり会議などの話し合いで決着をつけた方が人の命を守るにはいいと思う。僕は、戦争のない時代が実現したらいいなと思う。

   講評   yuu

 時事問題に忠実な解説がよくできていますね。日常からの情報収集や、新聞・テレビ、また最近ではインターネットなどメディアでの知識の充実に日頃から努めてくれていることと思います。
 今回のようなテーマの場合、主題が揺るぎなく決定されているものなので、自分らしい意見というものを書くのが大変困難です。多くの人が思うこと、感じていること、そして意見としてもっているものだからこそ、あえてオリジナルの主題を提示するのが難しくなりますね。もう一つ言えば、このようなテーマで作文を書く機会はこれからも増えてくることでしょう。意見文として書くにしても、その意見に個性を上乗せできなければ他の人の作文の中に埋もれてしまうものです。今、ちょうど受験シーズンでもありますので付け加えますと、大学入試でも私立の場合、最近では多くの学校が小論文や記述問題を要求しています。抽象的な一見つかみどころのないテーマであれば、逆に喜ぶべきでしょう。(たとえば、「自由」「人生」「家庭」「自然」「人間関係」等々です。)あらゆるところにきっかけを見つけることもできますし、十人十色の色彩豊かな作文が揃うはずです。それに対し、今回の長文のテーマですと、書きやすそうに見えて実は秀作が生まれにくいとも言えます。
 事実にそくしたテーマであれば、その事実にできる限り忠実に構成を練っていくことが肝心ですね。
 長文の主旨についてお電話でも解説しましたが、戦争をやめさせるための努力(法律や国際的な取り決めもこの中に属します)よりも、「平和を求める」こと、そのものが争いのない平和な社会を作り得るという一説をどこかに取り入れてほしかったです。戦争をしないための話し合いよりも、平和のための努力が、いつか必ずやってくる平和な世界への重要なきっかけになることでしょう。

毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘 
 自動採点ソフト「森リン」で上位になった作文を掲載しています。
 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

作文教室受講案内   無料体験学習   作文講師資格 
Online作文教室 言葉の森  「特定商取引に関する法律」に基づく表示」  「プライバシーポリシー」 
お電話によるお問合せは、0120-22-3987(平日9:00-19:30)