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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   一人と仲間   あめす

 社会は個人から成り立つものとされている。それぞれの個人は、社会の構造、運営、将来について責任を持つものとして意識し、行動していることになっている。しかしながら、このような意識は明治以降に輸入された物であり、現実の日本人の多くは、社会を構造する個人としてよりも、世間の中にいる、一人の人間として行動している部分の方が多い。日本人は常に世間の目を気にしながら生きており、欧米人からみると個性的ではないようにみえる。日本人が何よりも怖いと思っているのは「世間」から爪弾きされることである。爪弾きにされまいとすぐに行動にでる話がある。学校で何か調べ物をして発表するという話である。大体の人は、「我先に」と言わんばかりにグループを組む。しかし、僕はそれに反対である。
 第一の理由に、発表し終わったときに自分だけの力でできたという達成感が湧いてくるからである。資料などを自分で集め自分でまとめ、最終的には自分で発表する。すると「やった一人で全部やったぞ」という喜びと達成感が湧いてくるから、「また次も自分でやってみよう」という気持ちが湧いてくる。しかし、グループを組み仲間とやっていると、誰かがリーダーになってやる。するとリーダー意外の人は、リーダーの人の指示を聞いて言われたとおりにやる。そうするとどんどん「自分一人じゃできない」と思ってしまうことが多いと思う。
 第二の理由に、自分でやるほうが目的が明確になる。目的以外にも、何を調べるか。どのような手順で調べるか。それに、足した方がよい内容があれば勝手に足すことができる。しかし、グループの仲間に相談しなければならない。反対意見が出れば、足すこともできない。グループでやると、遊ぶやつがでてくるのだ。自分の担当の所は終わってひまだから遊ぶ。しかし、一人の場合自分で何をしなければいけないか考え、遊んだりするひまはないと思う。だからこそ気が引き締まって発表などができ、達成感などが湧いてくるのだ。
 確かに、グループになって仲間とやると楽しく、いろいろな意見が出てよいかもしれない。しかし、一人だけでやる方がよいと思う。自分はどのような完成を目指しているかがよくわかり、自分のやりたいように、できるからである。「船頭多くして船山に登る」という言葉があるように、大勢いると困ることが生じてくるのだ。だからこそ一人でやるほうがよい。そうすれば、欧米から個性的でないと思われないのではないだろうか。

   講評   mika


雅貴くんのように、何でも興味を持ったら、まず「自分から」取り組んでいくことは、とても大切なことですね(^o^)。「課題への取り組み方」について、しっかりと自分の意見を述べることができました。
さて長文のような状況を、これを機にちょっと考えてみましょう。「自分自身の考え」が、「多くの人々の考え」と違う時に、それをみんなの前で言うのは、なかなか勇気がいるものです。これは「和」を重んじる日本文化のよさでもあり、欠点でもあると先生は思います。この傾向は、もともと農耕民族であったなごりかもしれませんね。みんなといっしょに仲良く過ごすことは、大切なこと。しかし、ここでもっと大切なことは、「何でもみんないっしょの仲良し」では、いけないということですね。また「みんな」とは何か(つまり、この長文でいう「世間」ではなく「社会」になっているのか)も、しっかりと認識しておくことでしょう。
もし自分の意見が、大多数の意見と異なったものであっても、その正しさを納得させる力があれば、『裸の王様』の少年の発言と同じになります。雅貴くんが書いてくれたように、自分で考え、行動する力をこれからも大切にしていきましょう。

★「データ」「長文」のキーワード、入れていこう。
★以下の部分、( )の言葉を補うことで、言いたいことがより良く伝わるようになるよ。
・(僕の身近なところにも)爪弾きにされまいと
・第一の理由に、(グループを組まずに)発表し終わったときに
・第二の理由に、(何でも or このような課題は)自分でやるほうが
★「リーダー意外」→「リーダー以外」変換ミスね(;^_^A。


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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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